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奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス領域

Research 研究

教員

笹井准教授 准教授

笹井 紀明

篠塚助教 助教

篠塚 琢磨

研究室ホームページ

https://bsw3.naist.jp/sasai/

全学オンラインセミナー

2022年度に開催されたBio Discovery Session(全学オンラインセミナー)のアーカイブ動画の一覧です。
Bio Discovery Session

Webメディア

NAIST Edge BIOは、奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス領域 の各研究室で取り組んでいる「最先端」の研究プロジェクトや研究成果について、研究者だけではなく受験生や一般の方にも分かりやすく紹介するためのWebメディアです。
NAIST Edge BIO 第1回第26回

研究・教育の概要

細胞分化・組織構築・機能維持の生物学

中枢神経系は個体の感覚や行動を制御する器官で、さまざまな種類の細胞で構成されています。これらの細胞は主に胚発生の段階で構築されますが、それぞれの細胞の配置や数は厳密に制御されています。私たちはこのメカニズムを明らかにするために、実験系としてニワトリやマウスの胚、および胚性幹細胞(ES細胞やiPS細胞)を実験系として用いて研究に取り組んでいます。

また、神経系はいったん異常をきたすと自然には回復しないため、体全体の機能を保つためには神経系は生涯にわたって正常に機能しなければなりません。そこで、神経細胞が恒常的に働くメカニズムを明らかにします。現在、遺伝性の眼疾患を発症するモデルマウスを使用し、新しい治療法を提案することを目指しています。

このように、発生生物学・細胞生物学を主軸にした自然科学の基礎研究を進めながら、その技術や知見を疾患の治療法の開発へと応用する、学際的な研究を展開しています。

図1

(図1) マウス胚性幹細胞(ES細胞)から分化させた神経細胞

主な研究テーマ

細胞分化を制御するシグナルと、前駆細胞の性質の変遷

胚発生の段階では、細胞が未分化な状態から前駆状態という過程を経て徐々に成熟していきます。この過程では、多くのシグナル分子が関与しており、これらが細胞の増殖や成熟に必須の役割を果たしています。私たちは、これらのシグナル分子の機能や細胞内における遺伝子発現ネットワーク、細胞のクロマチン状態の変遷を明らかにすることにより、細胞の分化過程を分子レベルで理解することを目指しています。

組織構築における細胞増殖と分化のバランスの制御

体内の各組織のサイズやそこに含まれる細胞数は、同一の種(動物)であれば、どの個体でもある程度決まっています。この制御は、細胞の増殖効率と分化のバランスによって決まっていると考えられますが、その遺伝子プログラムを明らかにします。

遺伝性網膜疾患に対する新規治療法

視神経系をはじめとする神経組織は再生能が低く、機能不全に陥ると自然治癒はほとんど望めません。したがって神経疾患の多くは生涯にわたって進行します。さらに、神経難病には希少疾患も多く、治療法の確立は困難でした。私たちは遺伝性眼疾患の発症初期に共通して発現する遺伝子を制御し、外界からの刺激に耐性をもつ「強い細胞」を作出することにより、眼疾患に対する新規治療法を開発したいと考えています。

図2

(図2) ニワトリの4日胚

図3

(図3) 疾患の初期状態を明らかにするための単細胞遺伝子発現解析