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奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス領域

Research 研究

教員

加藤教授 教授

加藤 順也

加藤規子特任准教授 特任准教授

加藤 規子

全学オンラインセミナー

2022年度に開催されたBio Discovery Session(全学オンラインセミナー)のアーカイブ動画の一覧です。
Bio Discovery Session

Webメディア

NAIST Edge BIOは、奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス領域 の各研究室で取り組んでいる「最先端」の研究プロジェクトや研究成果について、研究者だけではなく受験生や一般の方にも分かりやすく紹介するためのWebメディアです。
NAIST Edge BIO 第20回

研究・教育の概要

腫瘍細胞の増殖、分化、生存を制御する分子機構についての研究を行っています。研究の分野としては、細胞周期制御、がん代謝、白血病、がん幹細胞、ROS制御が含まれます。これらの分野の研究から腫瘍細胞の特性を明らかにし、その成果は、がんの診断や治療に役立てます。現在は、(1)クルクミン関連分子によるがん抑制、(2)CSN5と細胞がん化、(3)細胞がん(白血病)化と脂質代謝、(4)がん細胞周期とがん代謝のプロジェクトが進行中です。

主な研究テーマ

腫瘍細胞の増殖、分化、生存を制御する分子メカニズム

細胞周期制御とチェックポイントコントロール

細胞が増殖するか、あるいは、分化などに向かうかは細胞周期のG1期で決定されます。そのため、癌細胞ではG1期の進行を制御する因子(サイクリンD1/E、Cdk2/4、Cdkインヒビターp27/p21、Rb癌抑制蛋白質など)の変異が多く見られます。放射線や化学物質によりDNAに損傷が起こると、細胞周期を止め修復を行います。このチェックポイントコントロール機構で重要な役割を果たすのが、癌抑制遺伝子産物p53です。私たちはこれらの因子の分子機能を調べています。

細胞老化、細胞分化、アポトーシス

細胞の癌化には、細胞周期の異常以外にも、老化、分化や死のメカニズムが脱制御される必要があります。私たちは、老化誘導、分化誘導や細胞死誘導できる培養系を用いて、癌化と関係する老化阻害、分化阻害やアポトーシスの仕組みについて調べています。

図1

(図1) がん細胞は正常細胞から生まれる

図2

(図2) 細胞周期とサイクリン/Cdk複合体

白血病と癌の幹細胞

血液の癌のうち、AML(急性骨髄性白血病)、MDS(骨髄異形成症候群)、CML(慢性骨髄性白血病)に興味を持ち、その原因遺伝子の分子機構と白血病の発症機構を研究しています。また、近年注目されている癌の幹細胞(白血病幹細胞)にも焦点を当て、正常の造血幹細胞がいかにして癌化(白血病化)するかについて明らかにしようとしています。

図3

(図3) 白血病発祥のモデル

がん代謝

がん細胞は、自らの代謝経路を再編成することにより独自の代謝ネットワーク(がん代謝)を構築して、細胞がん化やがんの悪性化の過程に役立てています。私たちは代謝経路の下流に位置する活性酸素種(ROS)に注目したプロジェクトを進めています。

  • クルクミン関連分子によるがん抑制
  • CSN5と細胞がん化
  • がん細胞周期とがん代謝
図4

(図4) がん代謝を利用したがん抑制(ROSを介したがん細胞増殖抑制)