研究成果の紹介
ストレス微生物科学研究室の示野 誠也さん(博士後期課程3年)が「第67回日本生化学会近畿支部例会」において「優秀発表賞」を受賞
ストレス微生物科学研究室の示野 誠也さん(博士後期課程3年)が「第67回日本生化学会近畿支部例会」において「優秀発表賞」を受賞しました(令和3年5月29日)。
受賞のコメント
この度、第67回日本生化学会近畿支部例会優秀発表賞を受賞することができ、大変光栄に思っています。このような素晴らしい賞を受賞できたのは、ご指導いただいている高木先生、那須野先生をはじめ、研究室の皆様のおかげだと思っております。この場をお借りして感謝申し上げます。これを励みに更なる研究の発展、研究成果の発表に精進していきたいと思います。
受賞内容
「酵母Saccharomyces cerevisiaeにおける翻訳後修飾を介した一酸化窒素の生理的役割の解析」
一酸化窒素(NO)は様々な生物種においてシグナル伝達物質として作用しています。哺乳類においてNOはタンパク質の翻訳後修飾をタンパク質の安定性や酵素活性を制御することが報告されています。また、発酵産業やヒトのモデルとして用いられている酵母は発酵環境中にNOに曝露され、様々な生理応答を示す一方で、その作用メカニズムについては不明な点が多くあります。私たちはNOによる翻訳後修飾を介した酵母の生理機能に着目して研究を進めてきました。解糖系の酵素がNO処理に依存して翻訳後修飾の一つであるS-グルタチオン(SGT)化され、その酵素活性が阻害されること、SGT化修飾によって解糖系が阻害され、解糖系の別経路であるペントースリン酸回路が促進されることを見出しました。本研究の結果から、タンパク質の翻訳後修飾による新規な代謝制御機構の存在を示唆することができました。
【ストレス微生物科学研究室】
研究室紹介ページ:https://bsw3.naist.jp/courses/courses305.html
研究室ホームページ:https://bsw3.naist.jp/takagi/
(2021年10月07日掲載)