NAIST 奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス領域

研究成果の紹介

バイオサイエンス研究科分子神経分化制御研究室の松田泰斗さん(博士後期課程2年)が公益財団法人日本科学協会の平成24年度笹川科学研究助成対象者に選ばれました。

 バイオサイエンス研究科分子神経分化制御研究室の松田泰斗さん(博士後期課程2年)が公益財団法人日本科学協会の平成24年度笹川科学研究助成対象者に選ばれました。本助成は、新規性、独創性または萌芽性をもち、発想や着想に意外性をもった研究に視点をあて、科学・技術研究の次代を担う人材を育成し、科学・技術研究の振興を図ることを目的としています。

助成受託コメント

 この度、公益財団法人日本科学協会からの研究助成金を頂くことになり、大変感謝いたします。この助成金をいただけたのは、所属研究室スタッフをはじめとするたくさんの方からのご指導によるもので、この場をお借りして感謝申し上げます。この助成金を有効に活用し、さらなる研究の発展を目指したいと思います。


助成受託研究テーマ

免疫細胞による成体海馬ニューロン新生調節機構の解明

 成体海馬では、日々数千におよぶニューロンが恒常的に産生され続けており、学習・記憶、情動認知など脳高次機能に多大な影響を与えます。神経疾患の1つであるてんかんでは、海馬において神経幹細胞の異常増殖が起こり、その結果、多数のニューロンが産生されます。しかし、このようにして産生されたニューロンは機能異常があり、物体認識記憶に悪影響を及ぼすことが知られています。これまで私達は、この異常ニューロン新生を制御する分子実体は、自然免疫受容体TLR9であることを示唆する結果を得ました。本研究ではTLR9を発現する細胞として、脳内免疫細胞ミクログリアに着目し、免疫細胞によるニューロン新生調節機構の解明に迫ります。

(2012年05月11日掲載)

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