研究成果

研究成果

植物が病原体侵入を物理的に阻止する分子メカニズムを解明

バイオサイエンス研究科の島本功教授・川崎努助教授らのグループは、植物が病原体の侵入を物理的に阻止するために病原体感染に応答して細胞壁にリグニンを蓄積させる分子メカニズムを世界に先駆けて明らかにした。この成果は、1月3日付けの米国アカデミー紀要に掲載された。病原体感染に伴うリグニンの蓄積は古くから植物病理学研究により知られていたが、そのメカニズムについては不明であった。本研究では、耐病性誘導の分子スイッチである低分子量Gタンパク質Rac1のエフェクターとして、リグニンモノマー合成のキー酵素であるCinnamoyl-CoA reductase(CCR)を同定した。病原体の侵入を抑制する物理的なバリアーであるリグニンは、細胞壁で過酸化水素を利用してリグニンモノマーの重合により生成される。本研究において、Racは耐病性時に特異的に誘導されるCCRを直接的な相互作用により活性化しリグニンモノマーの量を調節するのと同時に、NADPHオキシダーゼを介した活性酸素生成を促進し、リグニン合成を制御していることが明らかになった。


模式図

掲載論文

Kawasaki T, Koita H, Nakatsubo T, Hasegawa K, Wakabayashi K, Takahashi H, Umemura K, Umezawa T, Shimamoto K. Cinnamoyl-CoA reductase, a key enzyme in lignin biosynthesis, is an effector of small GTPase Rac in defense signaling in rice.

(2006年07月03日掲載)

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