NAIST 奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス領域

研究成果の紹介

新潮選書「植物力 - 人類を救うバイオテクノロジー -」出版(新名惇彦教授)

7月25日、植物代謝調節学講座の新名惇彦教授の著書が、新潮社から出版されました。その書評は各紙で取り上げられ、好評を博しています。

著者による本の紹介

新潮社から出版依頼を受け、実は脱稿までに1年半を要した。それは、日常の業務の中で、詳細な統計データ等の入手、確認に手間取ったからである。

18世紀後半に興った産業革命、その後の科学技術の発展、20世紀の石油文明、が現在の世界の繁栄をもたらした。しかし、その行方はあまりにも不安定である。2050年までには訪れるであろう、人口増加と食糧不足、水・鉱物資源の枯渇、環境問題、地球温暖化を第1章ではつぶさに述べた。第2章では、これらの難問に対して植物バイオテクノロジーで何ができるか、具体例を挙げながら、遺伝子組換え技術は必須であることも含めて説明した。論旨はあくまでも前向きである。第3章では、現在進められている国家プロジェクトの成功例を中心に、将来への夢も語った。奈良先端大の成果も解りやすく盛り込んでいる。本書は一般書である。将来を担う若者には、是非とも植物バイオテクノロジーの必要性と可能性を本書から読み取って欲しい。

昨今の世界的なガソリンの高騰により、植物バイオマスの重要性が各国で認識されている。まさに時機にあった出版であると思う。わが国の代表的哲学者、加藤尚武先生からは、「地球の未来がいちばん遠くまで見える」という表題の重厚な書評(「波」2006年8月号掲載、新潮社)を頂いた。なお、韓国での翻訳本の出版も決まった。


書籍データ
新潮選書 191ページ 定価1050円 (税込み)
ISBN:4-10-603568-5 発売:2006/07/25

(2006年08月29日掲載)

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