NAIST 奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス領域

セミナー情報

破骨細胞分化におけるSiglec-15-DAP12複合体の機能解析

演題 破骨細胞分化におけるSiglec-15-DAP12複合体の機能解析
講演者 北川 教弘 博士 (バイオサイエンス領域 遺伝子発現制御研究室 助教)
使用言語 日本語
日時 2025年3月27日(木曜日) 12:00~12:45
場所 L12会議室
内容

 骨吸収の主細胞である破骨細胞は骨粗しょう症をはじめとする骨疾患に対する治療法開発の標的細胞として位置付けられる。破骨細胞は前駆細胞であるマクロファージが破骨細胞分化誘導因子RANKLを受容体RANKにより受容することで単核破骨細胞へと分化し、細胞融合を経て、多核破骨細胞へと分化する。我々のグループは分化過程で発現変動を示す遺伝子群を網羅的に解析した。この結果は転写因子NFAT2/NFATc1が破骨細胞の分化に必須であることを発見する端緒となった 1) 。
 破骨細胞分化にはRANKL-RANKシグナル経路とともに、アダプター分子DAP12のITAMを介したシグナル経路が必須である。ITAMシグナル経路はNFAT2の核内移行を促進するが、ITAMシグナル経路を活性化する分子機序は不明であった。この原因としてDAP12と会合しITAMシグナル経路を制御する受容体の実体が不明であったことが挙げられる。我々のグループはレクチン分子Siglec-15がin vitro分化誘導系における成熟破骨細胞の形成に必須なDAP12会合受容体であることを報告した 2) 。本セミナーではSiglec-15についての我々の研究成果を概説するとともに、その後の研究からSiglec-15がDAP12会合受容体として必要かつ十分であることを示唆する結果が得られているので合わせて紹介させて頂きたい。

問合せ先 遺伝子発現制御
別所 康全 (ybessho@bs.naist.jp)

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