セミナー情報
微小管ネットワーク形成機構の解明に向けて
演題 | 微小管ネットワーク形成機構の解明に向けて |
講演者 | 今崎 剛 博士(神戸大学 医学研究科 助教) |
使用言語 | 日本語 |
日時 | 2024年11月11日(月曜日) 15:30~16:30 |
場所 | 大セミナー室(C109) |
内容 | 動物や植物の細胞骨格形成において、主要な役割を担う微小管は、αβチューブリンヘテロダイマーが縦に連なったプロトフィラメントが中空の環状構造をとる、繊維状の超分子複合体です。微小管は極性を持ち、βチューブリン側をプラス端、αチューブリン側をマイナス端と呼びます。細胞内の微小管は常に伸長(重合)と短縮(脱重合)を繰り返すダイナミックな分子であり、細胞の形態維持、細胞内輸送、染色体分配時の紡錘体形成など、細胞にとって必須の因子です。しかし、細胞内ではチューブリン濃度が低く、自発的な微小管の重合は起こらないため、重合開始は厳密に制御されています。また、紡錘体上の微小管の配向制御がうまく行われない場合、紡錘体構造の異常につながります。この制御機構の破綻は、神経変性疾患や認知症、腫瘍形成、植物の形態異常など、さまざまな疾患や現象に関連します。 私たちは、動植物の微小管ネットワークの形成機構と制御機構の解明に向けて、クライオ電子顕微鏡(Cryo-EM)やX線結晶構造解析、原子間力顕微鏡(AFM)、全反射蛍光顕微鏡(TIRFM)といった分子構造を観察する手法を用いて研究を進めています。本セミナーでは、微小管が重合を始める重合核形成機構や、細胞分裂時の紡錘体形成における微小管構造の制御メカニズムについて、最新の研究成果をご紹介します。 |
問合せ先 | 構造生命科学 塚崎 智也 (ttsukaza@bs.naist.jp) |