NAIST 奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス領域

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電子顕微鏡を用いた膜タンパク質の構造解析、背景と実例と現状

演題 電子顕微鏡を用いた膜タンパク質の構造解析、背景と実例と現状
講演者 加藤 孝郁 博士(オックスフォード大学 博士研究員)
使用言語 日本語
日時 2022年12月20日(火曜日) 17:00~18:00
場所 バイオサイエンス棟 Rethink大講義室(L11)
内容
構造生物学は生体分子の立体構造を原子レベルで解明する分野であり、その構造情報は機能を詳細に理解する事や創薬などに繋がる重要なものである。かつて、立体構造の決定は生体分子を結晶化させX線を照射することで行われていたが、結晶化困難なタンパク質はチャレンジングな標的であった。2013年、所謂「Resolution Revolution (分解能革命)」と言われる電子顕微鏡を用いた構造解析で革新が起き、今や結晶構造解析を凌駕して毎日のように様々な電子顕微鏡の立体構造が報告されている。なぜ、ここまで電子顕微鏡は構造生物学の強力なツールとなったのか、その実例はどのようなものなのか、そして現状の電子顕微鏡を用いた構造生物学はどうなっているのか。
今回は電子顕微鏡の構造解析の背景に関し簡単に述べた後、講演者が最近報告したヒトの中枢神経系で重要であり近年では癌細胞の悪化に関わると報告されているアミノ酸トランスポーターEAAT2について発表する。最後に、現在オックスフォード大学で取り組んでいて、かつては電子顕微鏡を用いても困難と思われていた小型膜タンパク質の構造解析を幾つかの実例を踏まえて紹介する。
問合せ先 構造生命科学研究室
塚崎 智也 (ttsukaza@bs.naist.jp)

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