NAIST 奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス領域

セミナー情報

細胞壁ペクチンの分泌を制御する細胞内膜系輸送メカニズム

演題 細胞壁ペクチンの分泌を制御する細胞内膜系輸送メカニズム
講演者 國枝 正 博士(奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス領 域(植物代謝制御研究室) 助教)
使用言語 日本語
日時 2022年4月20日(水曜日) 13:30~14:15
場所 オンライン開催
内容

 細胞壁は細胞膜外に形成される植物細胞を特徴づける構造体である。組織や細胞の生育段階によって細胞壁はその構造を変化させることで、植物のユニークな形づくりを支えている。我々は、細胞壁の形成メカニズムを明らかにするために、シロイヌナズナの種子がもつ特殊な細胞壁である“ムシレージ”を実験系にして研究を行ってきた。特に、ムシレージの構成成分であるペクチンが、種子形成初期に外珠皮細胞の細胞極性に従って分泌されることに着目し、その分子メカニズムの解明に挑んでいる。
 ゴルジ装置で合成されたペクチンは、小胞輸送によって細胞膜外へと分泌される。我々は、この輸送制御にtrans-Golgi network(TGN)に局在するアダプタータンパク質AP1M2が関与することを見出した。さらに、外珠皮細胞において極性局在を示す細胞膜タンパク質の局在制御をAP1M2が担うことを発見した。本セミナーでは、最近の解析で得た結果とともに、細胞壁ペクチンが細胞膜外へと分泌するための分子メカニズムについて報告したい。また、細胞膜上の特定の領域に形成される細胞壁について、それらの構造を力学的に解き明かすことを目指した最近の取り組みについても併せて紹介したい。

 

問合せ先 植物成長制御
梅田 正明 (mumeda@bs.naist.jp)

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