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葉のサイズ制御:細胞数と細胞サイズの間にあるもの

演題 葉のサイズ制御:細胞数と細胞サイズの間にあるもの
講演者 塚谷 裕一(東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻)
使用言語 日本語
日時 平成23年10月7日(金曜日) 15:30~16:30
場所 L13会議室
内容
 植物の器官サイズは種多様性が極めて高い。シロイヌナズナの花の径は数ミリであるが、世界最大の花をもつラフレシア・アーノルディの花の直径は1メートルに近い。この差は細胞の数と細胞の大きさの違いの総和である。となると、ある一定の大きさの器官を作る上で、細胞の数と大きさを調和させるシステムがあるように思われる。それを端的に示すのが、補償作用という現象だ。葉の細胞分裂が何らかの異常をきたし、ある閾値を越えた細胞数減少が起きると、あたかもその不足を補うかのように、個々の細胞が異常肥大を示す現象である。
 これまでの解析から、次のようなことが分かってきた。1)細胞数の減少程度と細胞サイズの増大とは必ずしも比例しない。2)補償作用による細胞肥大は、通常の細胞伸長過程に用いられている遺伝制御系のうちの一部のみが昂進して起きる。3)補償作用を引き起こす遺伝型と、引き起こさないはずの遺伝型との間でキメラを作ると、場合によっては細胞非自律的に、すべての細胞が補償作用を示す。
 そもそも動植物を通じて、器官のサイズがどのように一定の幅に収まっているのかは、まだほとんど分かっていない。補償作用の解析は、その解明の一助になると期待している。

文 献:
1) Kawade K, Horiguchi G and Tsukaya H. (2010) Non-cell-autonomously coordinated organ-size regulation in leaf development. Development 137: 4221-4227
2) Horiguchi G, Tsukaya H. (2011) Organ size regulation in plants: insights from compensation. Front. Plant Evol. Dev. 2: 24 (doi: 10.3389/fpls.2011.00024)
3) Tsukaya H. (2008) Controlling size in multicellular organs: Focus on the leaf. PLoS Biology 6: 1373-1376 (doi:10.1371/journal.pbio.0060174)

問合せ先 植物形態ダイナミクス
田坂 昌生 (m-tasaka@bs.naist.jp)

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