郷 達明 准教授
ご自身の研究内容やその面白さについて教えてください。
一般的に植物は移動することができない生き物ですが、その代わりに、自身の形態(葉・花・根の数や形状など)や成長方向を変化させることで、周囲の環境に巧みに適応します。これらの変化は、植物体を構成する1つ1つの細胞の営みを集積することで実現されています。私は、独自の顕微鏡技術や画像解析技術を駆使して、植物細胞の振る舞いを精密に計測することで、植物が独自に進化させてきた環境適応型の成長戦略の仕組みを明らかにしようとしています。
研究現場の苦労や楽しみについて教えてください。
顕微鏡を使うと、植物を構成する細胞一つひとつが驚くほど動的に変化している様子を見ることができます。しかし、その動きをデータとして解析し、意味を明らかにするのは簡単ではありません。一方で、これらの細胞の営みが植物全体の成長や環境への応答とどのように関わっているのかを理解することは、壮大なパズルを解くような楽しさがあります。
期待される成果や社会的意義について教えてください。
植物と動物は同じ地球に生きる生物ですが、その生き様や環境への適応戦略は大きく異なります。植物という「身近で頼れる隣人」を深く知ることを通じて、生命の多様性を理解するとともに、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを支えていきたいと考えています。
これから受験する学生へ一言応援メッセージ
大学院での研究活動において、自分の仮説を検証し、新たな発見に出会う過程は、学部時代とは異なる視点やスケールで世界を捉える経験となります。奈良先端大の充実した環境を最大限に活かし、もう一歩先の世界へ。
研究室を志望するにあたり、勉強をする上で、おすすめのサイト、本、総説などを教えてください。
- テイツ/ザイガー 植物生理学・発生学
- 植物の根の先端で繰り広げられる細胞の振る舞いから、成長の仕組みを紐解く
https://bsw3.naist.jp/bsedge/0019.html
リフレッシュ方法は何ですか?
息子たちとスポーツやアウトドアを楽しむ