NAIST 奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス領域

研究成果の紹介

バイオサイエンス研究科遺伝子発現制御研究室の中畑泰和助教が公益財団法人旭硝子財団の平成24年度研究奨励対象者に選ばれました

 バイオサイエンス研究科遺伝子発現制御研究室の中畑泰和助教が公益財団法人旭硝子財団の平成24年度研究奨励対象者に選ばれました。本財団は、次世代社会の基盤を構築するような独創的な研究への助成事業を通じて、人類が真の豊かさを享受できる社会および文明の創造に寄与することを目的としています。

助成受託コメント

 この度、公益財団法人旭硝子財団からの研究助成金を頂くことになり、大変感謝いたします。この助成金を有効に活用し、さらなる研究の発展を目指したいと思います。


助成受託研究テーマ

「概日時計機構による生体内NAD+制御と老化調節の関連性」

 近い将来間違いなく世界レベルで迎えることになる少子・高齢化社会を前に、老化という現象を分子レベルで理解することは非常に重要だと考えられています。近年の分子・遺伝子レベルでの老化研究は、非常に多岐にわたる分子が細胞・生体レベルで老化現象に関わっていることを明らかにしてきました。そのなかでも近年、SIRT1をはじめとするNAD+依存性脱アセチル化酵素Sirtuinファミリーの健康/老化への関与が注目されていいます。一方で私たちが研究している概日時計も健康/老化に関与していることを示唆する報告が近年増えてきました。これらの報告とは独立して私たちは、細胞内NAD+量/SIRT1活性が概日時計により制御されていることを明らかしました。本研究課題では、概日時計が老化進行を調節すること、さらに概日NAD+量/SIRT1活性の乱れが老化進行を助長することを分子レベルで証明することを研究目標としています。

・関連する論文
Nakahata Y, Sahar S, Astarita G, Kaluzova M, Sassone-Corsi P.
Circadian control of the NAD+ salvage pathway by CLOK-SIRT1.
Science. 2009 324(5927):654-657

Nakahata Y*, Kaluzova M*, Grimaldi B, Sahar S, Hirayama J, Chen D, Guarente LP, Sassone-Corsi P.
The NAD+-dependent deacetylase SIRT1 modulates CLOCK-mediated chromatin remodeling and circadian control.
Cell. 2008 134(2):329-340. *Equally contributed to this study

(2012年05月02日掲載)

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