研究成果

研究成果

遺伝子発現制御学講座の中畑泰和助教が公益財団法人 千里ライフサイエンス振興財団の「岸本基金研究助成」対象者に選ばれました

遺伝子発現制御学講座の中畑泰和助教が財団法人 千里ライフサイエンス振興財団の「岸本基金研究助成」対象者に選ばれました。本研究助成は、ライフサイエンス分野の優れた研究に対し研究費助成を行うことにより、その成果が研究活動の活性化、新しい研究活動の萌芽へと発展し、ひいては産業の活性化、市民生活への還元に貢献しようとするものです。

公益財団法人 千里ライフサイエンス振興財団のホームページ

助成受託のコメント

中畑泰和助教 この度、公益財団法人千里ライフサイエンス振興財団より岸本基金研究助成に採択していただき、大変感謝いたします。この助成金を有効に活用し、さらなる研究の発展を目指したいと思います。

助成受託研究テーマ

「短周期遺伝子発現リズムの動作原理の解明」

生物のからだは、発生過程において細胞の増殖・分化など様々な現象が正確なタイミングで起こる結果、正確に形作られます。しかし、これらのタイミングを制御する生物時計の仕組みはほとんどわかっていません。私たちの研究室では、生物時計のひとつである分節時計に注目して、「生物の体がどのようなメカニズムにより正確に形作られていくのか?」に興味を持って研究を行っています。最近、bHLH 型転写抑制因子Hes1やHes7が2時間を刻む生物時計として働くこと、特にHes7 が2時間周期で進行する体節の分節過程を制御する分節時計の本体であることが明らかになりました。さらに昨年、ES細胞でのHes1の2時間周期の振動が、神経外胚葉もしくは中胚葉への分化スイッチとして働いていることが報告されました。また、多くの培養細胞でもHes1遺伝子の2時間周期の変動が確認されています。これらの報告は、2時間という短周期遺伝子発現リズムが普遍的な生命現象であることを強く示唆しています。

本研究課題では、多くの細胞でみられる短周期遺伝子発現リズム発振機構に共通する普遍的分子基盤を明らかにし、どのような分子機序により正確に時間が制御されているかを解明することを目標としています。

【図1】 マウス胚発生過程にみられる周期的な体節形成
図1. マウス胚発生過程にみられる周期的な体節形成

【図2】 転写抑制因子“Hes”による周期的遺伝子発現制御
図2. 転写抑制因子“Hes”による周期的遺伝子発現制御

関連する論文
  1. Bessho Y, Sakata R, Komatsu S, Shiota K, Yamada S, Kageyama R. Dynamic expression and essential functions of Hes7 in somite segmentation. Genes Dev. 2001 15(20):2642-7.
  2. Bessho Y, Hirata H, Masamizu Y, Kageyama R. Periodic repression by the bHLH factor Hes7 is an essential mechanism for the somite segmentation clock. Genes Dev. 2003 17(12):1451-6.

(2010年12月16日掲載)

一覧へ戻る