両角准教授

両角 佑一 准教授

微生物インタラクション

ご自身の研究内容やその面白さについて教えてください。

細胞は自身をとりまく環境を感知し、その情報を様々なシグナル経路により細胞内部に伝達することで恒常性を維持しています。私たちは主に酵母をモデルとして、細胞増殖の制御に重要であり、糖尿病、がん、寿命や老化とも密接にかかわるシグナル伝達経路を分子レベルで理解することを目指しています。また、最近では高温環境下での細胞増殖の制御メカニズムについても興味を持って研究を進めています。

研究現場の苦労や楽しみについて教えてください。

研究は、先行知見をもとに仮説を立て、それを実験で実証することの繰り返しです。期待どおりの結果が得られないことも多いですが、その分うまくいったときの喜びはひとしおです。また、予想外の結果から思いもしない発見があったときは、そこからの展望にとてもわくわくします。世界中で誰も知らなかったことを自分が初めて発見することが、最大の楽しみです。

期待される成果や社会的意義について教えてください。

酵母は真核生物のモデルとして頻用されており、ヒトと類似のシグナル伝達経路をもっています。私たちの研究は、すぐにではありませんが将来的には糖尿病やがんの新たな治療法や老化予防法の開発につながるかもしれません。また、深刻な地球温暖化が懸念される昨今、高温での細胞増殖制御メカニズムの理解はとても重要であり、熱ストレスの新たな緩和方法などにつながることも期待できます。加えて、酵母による発酵を活用して生産され、化石燃料の代替エネルギーとして期待されているバイオエタノールの普及にも、貢献できる可能性を秘めています。

これから受験する学生へ一言応援メッセージ

NAISTには、様々な分野で最先端の研究を行っている研究者の方々がたくさんいます。また、留学生も多く、英語や外国の文化を学ぶ機会もたくさんあります。このような魅力あふれる教育環境を、ぜひ体感してください。

研究室を志望するにあたり、勉強をする上で、おすすめのサイト、本、総説などを教えてください。

『Essential細胞生物学』(南江堂)で細胞生物学の基本を勉強してください。専門的な知識は、研究室に入ってから学べば十分です。

リフレッシュ方法は何ですか?

休日に家族とおでかけすること。おいしいものを食べること。