研究成果

研究成果

花発生分子遺伝学研究室の小林 利紗さん(博士前期課程2年)が「公益財団法人 遺伝学普及会日本遺伝学会」において「第90回Best Papers (BP)賞」を受賞

バイオサイエンス領域花発生分子遺伝学研究室の小林 利紗さん(博士前期課程2年)が「公益財団法人 遺伝学普及会日本遺伝学会」において「第90回Best Papers (BP)賞」を受賞しました。

受賞のコメント

この度、第90回日本遺伝学会BP賞をいただくことができ、大変光栄です。私がこのように素晴らしい賞を受賞できたのは、ひとえにご指導いただいた伊藤教授、和田助教ならびに花発生分子遺伝学研究室の皆さんのおかげです。2年前NAISTに入学した際、研究室選びにとても悩みましたが、伊藤研に入ったおかげでこのように素晴らしいテーマと先生方、仲間と出会え、本当によかったです。NAISTおよび伊藤研で過ごした2年間の思い出と経験を糧に、4月からの社会人生活も頑張りたいと思います。

受賞内容

「アブラナ科植物の花粉因子における低分子 RNA を介したエピジェネティックな優劣性制御機構の解析」

自家不和合性は被子植物のおよそ半数が有する機構であり、自殖を回避することで種の遺伝的多様性の維持に貢献している。アブラナ科植物の不和合反応は花粉表層の自己マーカータンパク質SP11が、雌蕊の細胞膜上にある受容体型キナーゼ(SRK)に結合することで誘起される。SP11遺伝子は、胞子体である葯タペート組織で発現するため、花粉には通常二種類のSP11が存在する。一方で、一種類のSP11のみ現れるという優劣性も知られていた。
Brassica rapaのSP11には、Class-I (S8, S9, S12, S52) > Class-II (S44 > S60 > S40 > S29)という複雑な優劣性関係が見られる。私達のグループのこれまでの研究から、この制御機構は、低分子RNAによって誘導されるDNAメチル化を介したエピジェネティックな機構であることが明らかとなっていた。さらに、複雑な優劣関係は、低分子RNAとその標的となる SP11遺伝子座における配列相同性によって説明されるモデルを提唱した。
私は、このモデルのさらなる検証として劣性ハプロタイプが有する低分子RNAに塩基置換を加え、本来標的としない優性SP11を抑制するかを検討した。その結果、SP11の発現抑制と標的領域のDNAメチル化、自家不和合性の打破が観察された。このことから、提唱したモデルを支持する結果が得られたと考える。

関連資料
21世紀の遺伝学

公益財団法人 遺伝学普及会日本遺伝学会
https://gsj3.org/

【花発生分子遺伝学研究室】
研究室紹介ホームぺージ:https://bsw3.naist.jp/courses/courses112.html

(2019年03月04日掲載)

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