研究成果

研究成果

バイオサイエンス研究科ストレス微生物科学研究室の城山真恵加さん(博士前期課程2年)が日本農芸化学会 関西支部より賛助企業特別賞を受賞

 バイオサイエンス研究科ストレス微生物科学研究室の城山真恵加さん(博士前期課程2年)が日本農芸化学会 関西支部より賛助企業特別賞を受賞しました。

受賞のコメント

 「農芸化学会関西支部例会(第487回講演会)」において「支部賛助企業特別賞」を受賞することができ大変嬉しく思います。この賞を頂けたのは、日頃から研究を支えていただいている大津厳生助教、高木博史教授をはじめ、OBを含めた研究室のメンバーであるポスドクの河野祐介さん、森ヶ崎進さん、技術補助員の吉野みほ子さん、ナッタさん(現: BIOTEC)、仲谷豪さん(現:長瀬産業)、佐々木翠さん(現:日本食研)、鈴木茉里奈さん(現:資生堂)、玉越愛さん(現:日本アルシー)、佐伯恭平さん、高橋砂予さん、舟橋依里さん、加知卓磨さん、鶴岡愛さん、皆様のお力があってこそと、心より感謝申し上げます。また、研究室のメンバーや、共同研究において研究に携わっている方々にも深く感謝しています。この受賞を励みに、今後さらに研究を発展させて、社会に貢献できるよう努めたいと思います。

農芸化学会関西支部例会(第487回講演会)のホームページ http://www.kansai-jsbba.jp/

受賞時の発表内容

『大腸菌における新規チオ硫酸イオン輸送体YeeEDの機能解析とシステイン発酵生産への応用』

 大腸菌は、環境中に硫酸イオン(SO42-)とチオ硫酸イオン(S2O32-)が同時に存在すると、チオ硫酸イオンから、生育に必須のシステインを合成する「チオ硫酸リプレッション,TSR」を備えていることを私たちのグループは見出している1)。しかし、そのメカニズムは不明である。そこで、炭素原や窒素源と同様に、TSRが転写レベルによるトランスポーターの制御ではないかと考え、大腸菌における2つのチオ硫酸イオントランスポーターCysPTWAとYeeEDに着目し、TSRとの関連性について解析を行った。
ゲノムワイドにチオ硫酸硫黄転移酵素を探索し、機能未知のyeeD遺伝子を見出した。また、その上流に9回膜貫通領域を有する内膜タンパク質YeeEをコードするyeeE遺伝子が存在し、これら遺伝子はオペロンを形成していると示唆された。S2O32-輸送体を欠損した変異株を用いた生育実験により、YeeEDは新規なS2O32-輸送体であることが判明した。さらに、YeeEDは、YeeEもしくはYeeDのどちらか一方を欠損すると機能しないため協調的に働き、YeeEは環境中からS2O32-を細胞内に取り込み、YeeDにより速やかに亜硫酸イオンと硫化物イオンに変換することで、硫酸経路を介して、Cysを合成できると考えられる。また、この硫黄転移反応には、YeeD内部に存在する13番目と39番目の2つのCys残基が必須であり、ダイチオール反応により亜硫酸イオンを生成すると示唆された。また、YeeDの強化はシステイン発酵生産性向上にも有用である2)(本研究は農林水産業・食品産業科学技術研究推進事業の支援を受けて実施した)。

関連する資料

  1. 大津厳生, 河野祐介, 高橋砂予, 城山真恵加, 舟橋依里, 高木博史:進化の果てに消滅した硫黄同化 - 大腸菌における硫黄の選択的利用機構, 実験医学 増刊 「驚愕の代謝システム」, 32(15), 108-114 (2014).
  2. 城山真恵加, 大津厳生:L-システイン生産能が高められた腸内細菌科に属する細菌, 特願2013-183237
  3. Tamakoshi A, Shiroyama M, Tsuruoka A, Saiki K, Takumi K, Nonaka G, Nakanishi T, Hishiki T, Makoto Suematsu, Takagi H: J. Biosci. Bioeng., in press.

(2014年12月11日掲載)

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