NAIST 奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス領域

研究成果の紹介

バイオサイエンス研究科植物分子遺伝学研究室の辻寛之助教が日本育種学会優秀発表賞を受賞

バイオサイエンス研究科植物分子遺伝学研究室の辻寛之助教が日本育種学会第125回講演会優秀発表賞を受賞しました。

受賞コメント

 この度、日本育種学会の優秀発表賞を頂き大変光栄に思っております。今回の受賞は故島本教授をはじめ研究室の皆様のご助言、協力のおかげであり深く感謝しております。
 特に、大学院生の才原徳子さん、東陽子さんは植物科学の最先端の実験にチャレンジしてすばらしい成果を上げることができました。極微量ゲノムDNAのメチル化解析では東京大学の伊藤隆司先生、三浦史仁先生にご協力いただきました。mRNA-seq解析では植物グローバルの玉置祥二郎博士、倉田哲也先生にお世話になりました。深く感謝いたします。


研究の概要

タイトル:全ゲノムバイサルファイトシーケンシングによる茎頂メリステムのメチローム解析

 植物の地上部器官すべての起源となる幹細胞組織「茎頂メリステム」において、ゲノム・遺伝子の機能を制御する重要な仕組み「DNAメチル化」がどのように制御されているかは極めて興味深い問題です。しかし技術的な困難さから、これまでその全体像は謎に包まれていました。
 本研究では、イネを材料に私たちが独自に確立した微小な茎頂メリステムの単離技術と最先端の次世代シーケンサー解析技術を駆使してこの問題に取り組みました。その結果、茎頂メリステムの全ゲノムDNAメチル化を一塩基解像度で解明することに成功しました。平行して茎頂メリステムのmRNA、低分子RNAについても次世代シーケンサーによる大規模解析を実施し、全部の結果を統合することで、メリステムのゲノム・遺伝子機能の制御と維持に関する未知の現象を発見することができました。今後はこれらの現象のメカニズムを解明し、茎頂メリステムの機能の全体像の理解へつなげたいと考えています。

(2014年05月21日掲載)

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