ヒストンフォールドタンパク質CENP-SX(MHF)のDNA認識機構と構造基盤解明
- 演題
- ヒストンフォールドタンパク質CENP-SX(MHF)のDNA認識機構と構造基盤解明
- 講演者
- 伊藤 翔 博士 (東京理科大学 先進工学部生命システム工学科 助教)
- 使用言語
- 日本語
- 日時
- 2026年7月30日(木曜日) 13:30~14:15
- 場所
- L11
- 内容
ゲノム安定性の維持には、DNA修復・染色体分配といった多様な核内プロセス が協調して機能することが不可欠である。ヒストンフォールドタンパク質CENP-SX (MHF)は、DNA修復因子FANCMの必須パートナーとして損傷DNAのリモデリング を促進する一方、セントロメアタンパク質CENP-TWと協調してキネトコア形成にも 関与するという、二つの生物学的文脈で機能するユニークな因子である。 私はまず、X線結晶構造解析によりFANCM–MHF複合体の構造を決定した。一 方で、結晶化試薬に含まれる有機溶媒や酸化的条件によりFANCMがMHFから解 離することも見出した(1)。続いて、CENP-SXのDNA結合条件を最適化し、高分解 能共結晶回折データの取得に成功した。得られた構造は、CENP-SXがDNAと3:1 の比で結合しており、カノニカルヒストンとは異なる新規クロマチン様構造を示唆 するものであった(2)。さらに、上記の有機溶媒によるFANCM解離という課題を克 服するため、構造情報に基づくジスルフィド工学を展開し無傷ヘテロペンタマーの 結晶化を可能にした。 今後はCENP-SXの3:1結合様式がDNA修復ではFANCMとの、染色体分配では CENP-TWとの協働においてそれぞれどのように機能するのかを、パートナー因子 との複合体構造解析を通じて明らかにしていく。
- 問合せ先
- 植物代謝制御
出村 拓 (demura@bs.naist.jp)
奈良先端科学技術大学院大学