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奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス領域

Seminar セミナー情報

食べる—食べられる生物種間関係をつなぐ

演題
食べる—食べられる生物種間関係をつなぐ
講演者
服部 佑佳子 博士(京都大学 白眉センター・生命科学研究科  特定准教授)
使用言語
日本語
日時
2025年11月12日(水曜日) 13:30~14:15
場所
L11
内容

生物は、捕食・被食や共生といった「食べる—食べられる」関係を通じて栄 養を獲得し、進化の過程で多様な適応戦略を発達させてきた。この栄養応 答システムの分子基盤を明らかにするため、食性の異なるショウジョウバエ 近縁種群とその共生微生物をモデルに、分子・発生・進化生物学を統合し た研究を進めている。特に、広食性種キイロショウジョウバエと狭食性種セ イシェルショウジョウバエを比較し、TGF-β/Activin シグナルとヒストンメチル 化酵素 Su(var)3-9 によるヘテロクロマチン制御が、高炭水化物環境下での 栄養適応を支える可能性を見出した。この比較解析を通じて、環境に応じ た栄養応答機構の種間差を生み出す分子基盤の理解を目指している。 また、野生のショウジョウバエ幼虫の成長を支える共生酵母と細菌の相 互作用を、微生物叢再構成系や宿主体内での微生物イメージング、比較ゲ ノム解析などを組み合わせて解析し、微生物が宿主の発育を支える栄養供 給機構の解明に取り組んでいる。こうした「食べる側」と「食べられる側」を つなぐ栄養ネットワークは、単なるエネルギーの授受にとどまらず、神経発 達や行動といった高次の生命現象にも深く関わることが示唆されつつある。 本セミナーでは、これらの研究成果をもとに、動物の環境適応を支える包 括的な原理と、栄養を介してつながる種間関係の進化的多様性を議論する。

問合せ先
植物代謝制御
出村 拓 (demura@bs.naist.jp)