イメージングで解き明かす被子植物の花粉の一生と受精戦略
- 演題
- イメージングで解き明かす被子植物の花粉の一生と受精戦略
- 講演者
- 水多 陽子 博士 (名古屋大学 トランスフォーマティブ生命分子研究所 助教)
- 使用言語
- 日本語
- 日時
- 2025年11月10日(月曜日) 13:30~14:15
- 場所
- L11
- 内容
被子植物は約35万種が知られており、その多様な繁栄を支えているのが 花粉による効率的な受精様式である。花粉は減数分裂後の1細胞が非対 称分裂し、娘細胞がそれぞれ異なる細胞へと分化することで形成される。 その後、花粉はめしべに付着して花粉管を伸長させ、胚珠にオスゲノムを 届け、受精し、種子ができる。これら一連の過程は花の奥深くで進行するた め、生体観察が困難であり、解析が進まない原因となっていた。そのため、 被子植物に普遍的なしくみにもかかわらず、花粉発生時の核の極性移動 や細胞運命決定の分子メカニズム、さらに花粉管が胚珠へと1本ずつ誘引 されるしくみなどには、未だ多くの謎が残されている。 本研究では、一過的導入と共焦点イメージングを組み合わせ、生体外で 花粉発生過程をリアルタイムに解析する方法を確立した。また、二光子顕 微鏡を用いることで、花の奥深くを生きたまま観察することが初めて可能と なった。これにより、花粉の非対称分裂を制御する因子や、雌雄と母体の 巧みな細胞間コミュニケーションによる多精拒否のしくみが明らかとなった。 本セミナーでは、被子植物が獲得した「生命を次世代につなぐしくみ」と、 その理解を基盤とした植物生殖工学への応用展開についても紹介する。
- 問合せ先
- 植物代謝制御
出村 拓 (demura@bs.naist.jp)
奈良先端科学技術大学院大学