セミナー情報

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自然免疫システムにおける病原体認識と獲得免疫誘導における役割

演題 自然免疫システムにおける病原体認識と獲得免疫誘導における役割
講演者 河合 太郎 准教授 (大阪大学免疫学フロンティアセンター)
使用言語
日時 2010年3月16日(火曜日) 16:00~17:30
場所 バイオサイエンス研究科 大セミナー室
内容

細菌やウイルスといった病原体感染に対する生体防御機構である免疫システムは大きく自然免疫系と獲得免疫系に分けることができる。中でも、自然免疫系は感染初期に誘導され炎症反応惹起や獲得免疫誘導において必須の役割を果たしている。従来、自然免疫担当細胞による病原体侵入の察知は非特異的なものであると考えられていたが、Toll-like receptor(TLR)ファミリーの発見を機に自然免疫系はTLRを介して病原体に固有に存在する分子構造(Pathogen-associated molecular patterns: PAMPs)を認識し、活性化シグナルを伝達することが明らかとなってきた。TLRは10数種類存在し、その多くは細菌、ウイルス、寄生虫などのタンパク質、脂質、核酸成分を認識する。一方、TLRは膜型受容体であるため細胞質内に存在するPAMPsを認識することはできない。細胞質内PAMPsを認識する分子として、RIG-I-like receptor(RLR)ファミリーとNOD-like receptor(NLR)ファミリーが同定されている。RLRは3種類存在し、RNAウイルスを認識する細胞質内センサーである。NLRは20以上のメンバーから構成され、細菌やウイルス由来の様々なPAMPs認識に関わり炎症反応を誘導する。他方、感染症や腫瘍の予防や治療を考える上で、ワクチンアジュバントの開発は欠かすことができない。一般的に、抗原ペプチドのみでは効率的な獲得免疫応答が得ることはできず、アジュバントとの共免疫が必要となる。アジュバントとして細菌菌体成分や化合物(核酸など)が用いられ、これらの多くはTLR、RLR、NLRにより認識される。本セミナーでは、TLR、RLR、NLRについて、それらが認識するPAMPs、情報伝達経路、ならびに獲得免疫誘導における役割について我々の研究結果を中心に紹介する。

問合せ先 分子神経分化制御学
中島 欽一 (kin@bs.naist.jp)

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