NAIST 奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス領域

セミナー情報

高病原性マダニ媒介性ウイルスの感染機序に関する研究~BSL-4施設稼働に向けた取り組みも交えて~

演題 高病原性マダニ媒介性ウイルスの感染機序に関する研究~BSL-4施設稼働に向けた取り組みも交えて~
講演者 好井健太朗 博士(長崎大学 高度感染症研究センター)
使用言語 日本語
日時 2024年11月7日(木曜日) 09:30~10:30
場所 L13会議室
内容

 マダニが媒介するウイルスには、ダニ媒介性脳炎(TBE)ウイルス、クリミアコンゴ出血熱(CCHF)ウイルス、重症熱性血小板症候群ウイルス等、感染した人や動物に致死率の高い重篤な症状(脳炎や出血熱等)を引き超す人獣共通感染症の原因ウイルスがあります。これらのウイルスは世界各地で流行が報告されており、日本も例外ではありません。流行を制御していくためには、診断体制を確立し流行状況の実態を明らかにするとともに、ウイルスの性状を解析し、有効な予防法・治療法開発へとつなげる事が重要です。
 このような状況下で、長崎大学は、わが国で唯一、BSL-2~BSL-4までの病原体の基礎・応用研究に使用することができる施設を有する機関として、平時から全てのBSLの病原体の研究を実施できる体制の整備を進めています。このような施設を安全に運用するためには、高度なバイオセーフティ及びバイオセキュリティに基づく管理体制が必要であり、長崎大学・高度感染症研究センターでは、最高レベルのバイオリスク管理体制の確立のための実践的な教育・研究を実施しています。
 今回のセミナーでは、このような高度なバイオセーフティを有する施設で研究を行っていく上で必要とされる点について概説するとともに、TBEウイルスやCCHFウイルス等のマダニが媒介する高病原性ウイルスについて、私達が実施しているウイルスがどのように宿主の中で増殖・適応し、病原性を示していくか、そのメカニズムに関する研究等を紹介させていただきます。

問合せ先 RNA分子医科学
椎森 仁美 (masami.shiimori@bs.naist.jp)

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