NAIST 奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス領域

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細菌の細胞壁合成に関与する脂質フリッパーゼMurJの構造研究

演題 細菌の細胞壁合成に関与する脂質フリッパーゼMurJの構造研究
講演者 甲賀 栄貴 博士 (バイオサイエンス領域 構造生命科学研究室 博士研究員)
使用言語 日本語
日時 2023年6月19日(月曜日) 13:15~14:00
場所 Rethink バイオサイエンス大講義室
内容
真正細菌の持つ細胞壁ペプチドグリカン(PG)は、溶菌への耐久性、細胞の形態を維持する役割を持つ。PGの合成経路には、脂質結合型PG前駆体(Lipid II)をペリプラズム側に反転させる過程が必須であり、Lipid IIは脂質フリッパーゼMurJによってフリップ輸送される。MurJは、細胞質に開いた状態と外向きに開いた状態を交互に繰り返すダイナミックな構造変化をともなって、Lipid IIを輸送する。これらの構造変化過程の詳細は不明であったが、X線結晶構造解析により新規中間体構造を明らかにし、新規の輸送メカニズムを提唱した。近年、バクテリオファージMは大腸菌に感染すると、溶菌を促すペプチドLysMを発現することが報告された。溶菌ペプチドLys Mは、MurJと相互作用し、その構造変化を阻害するとされるが、詳細な阻害メカニズムは解明されていなかった。
これまでに講演者は、MurJの構造と機能、Lys Mの機能についての解析をおこなってきた。本公演では、MurJフリッパーゼの新規の輸送メカニズム、及び、抗菌ペプチドLys MのMurJ阻害メカニズムについての最新の研究成果、そして今後の研究方針について発表する。
問合せ先 遺伝子発現制御
別所 康全 (ybessho@bs.naist.jp)

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