セミナー情報

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脈動による空間伸縮が形態形成に果たす役割

演題 脈動による空間伸縮が形態形成に果たす役割
講演者 佐藤 有紀 博士(九州大学大学院医学研究院 准教授)
使用言語 日本語
日時 平成29年12月8日(金曜日) 16:00~17:00
場所 L12会議室
内容

フィブロネクチンは細胞接着や伸縮刺激などの力学的要因により重合を促進される為、「力」の発生場や向きの指標となる細胞外基質である。我々は、背側大動脈の近傍にフィブロネクチンの長く太い構造 「ピラー (pillar)」が形成されることを発見した。背側大動脈の血管壁は、心拍に起因する脈流によって受動的に伸縮を繰り返す。背側大動脈の伸縮ストレスがフィブロネクチンピラー形成を促進する力学因子であると予想し、ピラーの形成機構およびこの構造が組織の形態形成に果たす役割を解析した。VEGF受容体阻害による背側大動脈欠損、Ca2+チャネル阻害による心拍停止、光刺激による局所的血栓誘導実験を行い、背側大動脈内の脈流が、フィブロネクチンピラーの形成維持に必須であることを明らかにした。フィブロネクチンピラーは、体節上皮細胞から内胚葉細胞へ向かって特異的に伸長する糸状仮足と接する。Ena/VASP枯渇実験により糸状仮足の形成を阻害すると、フィブロネクチンピラーの形成が起こらない。このことから、体節の糸状仮足がピラー形成に必要であることが分かった。さらにPGK:H2B-mCherryトランスジェニックウズラ胚を用いてタイムラプス観察を行い、体節上皮細胞の分化過程における糸状仮足の役割を解明した。空間伸縮ストレスが関与する細胞外基質パターン構築の観点から、新たな組織間相互作用モデルを提唱したい。

問合せ先 発生医科学
笹井 紀明 (noriakisasai@bs.naist.jp)

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