セミナー情報

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局在化した受容体シグナル経路を介したカスパリー線形成機構

演題 局在化した受容体シグナル経路を介したカスパリー線形成機構
講演者 藤田 智史博士研究員(University of Lausanne, Department of Plant Molecular Biology)
使用言語 日本語
日時 平成28年12月6日(火曜日) 16:00~17:00
場所 大セミナー室
内容 高等植物であるシロイヌナズナの根は常に土に接しており、特にアポプラストは外界の環境と連続している。このアポプラストの外界との連続性はカスパリー線とよばれる疎水性バリアによって維管束とその外に分けられており、この空間的な分離は植物体の恒常性維持に寄与している[1]。カスパリー線は根の内皮細胞にリング状に形成されるリグニンから成る細胞壁構造物であるが、どのようにして細胞が局所的にリグニンを蓄積できるのかについてはほとんど未知であった。  近年カスパリー線形成の足場と考えられる膜タンパク質CASPs (Casparian strip proteins) が同定され、それに加えて根のバリア機能を直接可視化した順遺伝学的スクリーニングによりカスパリー線形成に異常を示すschengen (sgn) 変異体が相次いで同定されたことによってカスパリー線形成の分子機構に迫ることが可能となった [2]。一連の変異体の原因遺伝子にはペプチド修飾酵素 (SGN2)、受容体様キナーゼ (SGN3)および脂質修飾により細胞膜にアンカーされる細胞質キナーゼ (SGN1)といったシグナル伝達因子が含まれた。これらの変異体は、それぞれ程度が違うもののカスパリー線が非連続になるという表現型を示し、ペプチド-受容体シグナルが連続的で機能的なカスパリー線形成を担っていることを示唆した。  本セミナーでは、カスパリー線を囲むように局在する受容体様キナーゼSGN3 [1]、内皮細胞の皮層細胞側の細胞質膜にのみ極性をもって局在する細胞質キナーゼSGN1 [2]、SGN3依存的に内皮でリグニン合成を促進するペプチド[3]からなる局在化した受容体シグナル経路およびそれぞれの分子の関係に関する結果を紹介したい。
問合せ先 植物細胞機能
橋本 隆 (hasimoto@bs.naist.jp)

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