セミナー情報

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茎における細胞癒合の制御と細胞壁の機能

演題 茎における細胞癒合の制御と細胞壁の機能
講演者 佐藤 忍 教授(筑波大学 生命環境系)
使用言語 日本語
日時 平成24年11月27日(火曜日) 15:30~16:30
場所 大セミナー室
内容
植物の茎は環境応答の一つとして、傷害を受けた際に組織の再生・癒合を行う。シロイヌナズナの花茎を部分的に切断すると、主として髄組織の細胞が切断3日後から細胞分裂を開始して約7日間で癒合し、癒合過程前半期では、転写因子・細胞分裂及び植物ホルモンの合成・情報伝達に関連する遺伝子が、癒合過程中~後半期では、細胞壁の分解・合成に関連する遺伝子が特異的に発現上昇する。傷の上部ではオーキシンがせき止められて溜ることによってNAC型転写因子のANAC071が誘導され、一方、傷の下部ではオーキシンが枯渇することによってAP2型転写因子のRAP2.6Lが誘導され、それぞれの遺伝子発現はエチレンとジャスモン酸によっても調節される。これらの転写因子の機能を阻害すると分裂が抑制され、細胞壁に関連する遺伝子としては、切断後3日目にXTH20がオーキシンおよびANAC071によって制御を受けて傷の上部で発現のピークを示し、XTH20は3日目から始まる髄細胞の分裂と成長に関与していると考えられた。一方、キュウリやトマトの胚軸における組織癒合では、皮層の細胞が分裂し、この過程はオーキシンではなく子葉で合成されるジベレリンや、根から供給されるB, Zn, Mnによって制御を受けている。現在、細胞壁関連遺伝子群の機能を中心に解析を進めている。

<参考文献>
Asahina et al, Spatially selective hormonal control of RAP2.6L and ANAC071 transcription factors involved in tissue reunion in Arabidopsis. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 108: 16128-16132 (2011)

Asahina et al, Gibberellin produced in the cotyledon is required for cell division during tissue-reunion in the cortex of cut cucumber and tomato hypocotyls.  Plant Physiol.  129:  201-210 (2002)

問合せ先 植物細胞機能
橋本 隆 (hasimoto@bs.naist.jp)

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