NAIST 奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス領域

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ヒストンメチルトランスフェラーゼMLL1は概日リズムをつかさどる時計遺伝子の発現制御を行う

演題 ヒストンメチルトランスフェラーゼMLL1は概日リズムをつかさどる時計遺伝子の発現制御を行う
講演者 堅田 明子 博士(Department of Pharmacology UC Irvine, CA, USA)
使用言語 日本語
日時 2011年6月10日(金曜日) 15:00~16:00
場所 大セミナー室
内容
概日リズムの分子機構として、時計遺伝子の転写活性化とその翻訳産物による転写抑制というネガティブフィードバック機構が普遍的なモデルとして知られている。近年、遺伝子の転写制御にはヒストンの修飾によるクロマチンの構造変化が数多く報告されているが、生物時計の発振においてもその重要性が注目されている。我々は時計遺伝子のプロモーター領域におけるヒストンH3の4番目のリジン残其のトリメチル化修飾に概日リズムがあることを見出した。ヒストンH3K4に特異的なメチルトランスフェラーゼであるMLL1は、転写因子のCLOCK;BMAL1ヘテロ2量体と時間依存的に相互作用し、時計遺伝子のプロモーター領域へとリクルートされることで、H3K4のトリメチル化および転写活性を促進した。すなわち、MLL1はクロマチンリモデリングによって、生物時計の発振に必須な転写因子がDNAに結合するための場の制御を行うことを報告する。
Katada, S. and Sassone‐Corsi, P. Nature Struct. Mol. Biol. 12, 1414‐21 (2010)
問合せ先 分化・形態形成学
横田 明穂 (yokota@bs.naist.jp)

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