NAIST 奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス領域

研究室・教員

卒業生の声 - 拡がるNAIST遺伝子 -

人羅 俊実 さん

  • ALGAN株式会社代表取締役CEO(→株式会社FLOSFIA 代表取締役CEO)
  • 1999年度(修士) 分子発生生物学
人羅 俊実さんの近況写真

平成17年6月にALGAN株式会社を設立し、代表取締役社長として、次世代半導体と称されるアルミニウム窒化ガリウムを用いた紫外線センサーの開発・販売に従事しています。紫外線センサーを作ったり、半導体プロセスの見直しをすることはもちろん、営業活動も自ら行っています。

大学院時代を振り返ってみると、研究室に配属されたとき、同級生それぞれが少しずつ違ったレシピで実験を行うことが非常に新鮮でした。それこそビーカーやメスシリンダーの洗い方まで、大学時代の研究室における「伝統的なやり方」の影響を受けていることを痛感し、自分が学んできたことの一面性を気付かされました。このような実験レシピは、研究を行ううえでの足腰のようなもので、レシピ一つにおいても、何が本質で、どの程度の許容幅があるのかを考えながら研究できるのは幸せなことでした。

また、学会発表される前のインフォーマルな情報について、研究室内で会話が飛び交っていることにも驚きました。世界最高水準の研究水準であるからこそ、その分野の最新情報が入ってくるルートがあり、論文だけでは学び得ない情報があふれています。バイオサイエンス研究科には多くの研究室があり、それぞれの研究室が世界に名をとどろかせて研究活動を繰り広げています。そして、その中で、インフォーマルな交流がなされていて、これらの研究・交流を楽しむ風土があります。一流の研究者になりたければ、申し分のない舞台が用意されているといっても言い過ぎではないように思います。

当然ながら、研究室ごとに、研究テーマの決め方や役割分担体制、指導方針などは異なります。たまたま指導してくれた先輩の指導方法・性格にも多くの影響を受けます。着手する研究テーマも重要です。

せっかく、卒業した大学を飛び出して奈良先端大に入るからには、どういう研究室に入りたいのか、研究内容以外の部分にも目を光らせて、自分自身の将来を自分自身で創り上げていく過程を堪能すればいいと思います。ただし、研究に着手したての学部生の立場では、自分に何があうのかは理解しようが無いのも現実です。< とりあえず動き回って、自分なりに試行錯誤する。失敗してもクヨクヨするのではなく将来に向けた「方法論」に集中する > ことが成功の秘訣ではないかと思い、私自身も、日々努力しております。

(写真:中央が筆者)

【2008年04月掲載】

卒業生の声記事一覧へ


Share:
  • X(twitter)
  • facebook