研究室・教員

卒業生の声 - 拡がるNAIST遺伝子 -

飯田 哲生 さん

就職先
株式会社 島津製作所 分析計測事業部ライフサイエンス研究所
修了年度
2005年度(博士) 動物分子遺伝学
飯田 哲生さんの近況写真

私は大阪大学基礎工学部で生物工学を専攻後、生命現象の解明を夢みて奈良先端科学技術大学院大学バイオサイエンス研究科に入学しました。大学院時代は生命現象の中核を担うタンパク質に興味がありましたので迷わず動物分子遺伝学講座に配属希望を出し、吉川寛名誉教授・加藤順也教授・指導教官でタンパク質解析の権威である釣本敏樹教授(現九州大学)の指導のもと修士・博士課程の5年間「DNAの複製に関わるタンパク質の機能解析」の研究を行わせていただきました。

研究生活はタンパク質発現ベクターの作製・細胞培養によるタンパク質の発現・カラムクロマトグラフィーによるタンパク質の精製・タンパク質相互作用の解析など広範囲のテクニックが要求される泥臭くてつらいものでしたが、そこから習得した研究技術、また苦楽を供にした研究室の友達が今となっては財産となっています。

タンパク質とのかかわりは卒業後も続いています。現在は機械メーカーの会社に就職し、MALDI(マトリクス支援レーザー脱離イオン化法)およびESI(エレクトロスプレーイオン化法)をベースとした質量分析計を用いて、プロテオーム解析手法の研究開発および依頼分析等の顧客対応を行っています。

会社では機械メーカーの立場上、今までのバイオの研究生活とガラリと変わって機械・電気・ソフトウェア出身の技術者等と仕事する機会が多く、他の卒業生の方と比べるとかなり特殊な環境に身を置いているかと思います。最初は装置の構成や部品の話を聞いていると頭が痛くなって四苦八苦していましたが、入社4年目を向かえるとHPLC等の簡単な装置の修理、調整などが少しずつできるようになってきました。またイオントラップなど質量分析計の内部構造を見る機会も多く、バイオ機器を原理から把握できるスペシャリストを目指して日々勉強しています。もう一つ企業に就職して良かったかなと思うのは、顧客や共同研究先の先生がたとお話することによって、幅広くて生きた最新情報を入手できることです。将来的にはプロテオーム、メタボローム創薬をサポートして生命科学の進展に少しでも貢献できたら良いかと夢みています。

奈良先端大は恵まれた設備、研究資金、優秀な教官を兼ね備えた大学院大学です。将来的に必要となってくる対外交渉力、英会話、知的財産権の勉強と供に、モチベーションの高い研究生活を送っていただけると幸いです。

【2006年11月掲載】

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