NAIST 奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス領域

研究室・教員

卒業生の声 - 拡がるNAIST遺伝子 -

岡部 明仁 さん

就職先
浜松医科大学医学部生理学第一講座
修了年度
2001年度(博士) 細胞構造学
岡部 明仁さんの近況写真

九州大学生物学科での卒業研究はバッタが羽ばたく際の神経活動を集合電位で記録すると言う電気生理学を専攻しました。1994年、一期生として奈良先端大学修士課程に入学し、細胞構造学講座(塩坂教授)に配属され、そのまま博士課程へと進学しました。修士課程、博士課程を通して、てんかん様発作を示す動物においてニューロプシン遺伝子や糖転移酵素遺伝子の脳内における増減を調べました。ニューロプシンは塩坂教授が発見された蛋白質分解酵素で、記憶に関与する分子として注目されております。また、ゲノム計画が終了した現在、次のターゲットとして注目を浴びている糖による修飾を行うのが糖転移酵素です。このように書くとすべての実験がうまくいき、博士号もすんなり取得できたように聞こえます。

しかし、実際は分子生物学が苦手だった私は、大学院の講義もさっぱりわからず、研究室ではみるものすべてが新鮮に映ったものでした。当然のことながら、はじめのうちは実験も失敗ばかり。落ち込む日々が続きました。そんな時「まだまだアマチュアやのぉ」と言いながらも、先生方は暖かくときに厳しく指導してくださいました。また、研究室のメンバーのみならず、他の研究室の先生方や友人にも励まされ、分子生物学的手法を少しずつ身につけていくことが出来ました。

あるとき自分の実験結果を見ながら「この事実を知っているのは現時点で世界中に自分しかいない(かも知れない)。」と感じた瞬間、なんともいえない充実感に襲われ「研究を続けて行きたい」と強く願うようになりました。

浜松医大に赴任そしてドイツに留学しても、大学院時代の研究がきっかけでてんかんに関わる研究を進めています。その研究内容は、てんかん発作を抑制するメカニズムに関与する物質の同定とその作用機序の解明です。幼若期の海馬で人工的に発生させたてんかん発作は皆さん御存知のタウリンで抑制されます。しかし、なぜタウリンがてんかんを抑制できるのかについてはよくわかっていません。そのメカニズムを解明するため、電気生理学的手法を用いた研究をしています。将来的にはこの研究が発展して、てんかんで苦しむ患者さんの手助けになれば...と壮大な夢を描いています。

奈良先端大には研究意欲をかきたてるテーマがあり、すばらしい先生方がいらっしゃると思います。皆さんが感動できる研究に出会い、充実感や達成感を得られたらと願っています。

【2006年04月掲載】

一覧へ戻る