NAIST 奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス領域

研究室・教員

卒業生の声 - 拡がるNAIST遺伝子 -

山口 翔 (やまぐち しょう)さん

  • タキイ種苗株式会社 入社 種子生理技術研究室 配属
  • 2019年度(修士) 花発生分子遺伝学研究室

きっかけと可能性にあふれる『奈良先端大』

山口 翔さんの近況写真

私が今このページを読んで下さっている皆様にお伝えしたいのは、「人生何がきっかけとなるかわからない」ということです。そういう私の人生の転機のきっかけはカレーライスです!きっかけはほんの些細な事かもしれませんが、その先に拡がる可能性は無限大です。できる限り今の時間を大切にし、何事にも積極的に取り組んで、チャンスを逃さないようにして頂きたいです。

奈良先端大では2年間、花発生分子遺伝学研究室(伊藤研)で伊藤寿朗教授や和田七夕子助教のご指導のもと、種子発達の研究を行なっていました。現在はタキイ種苗で種子に関する研究に携わっています。しかし、大学時代の私は、タキイ種苗に勤めることになるとは想像もしていませんでした。

出身学部は植物とは全く関係のない医学部であり、動物の胚発達や再生医療の研究に携わっていました。そんな私が大学院に奈良先端大を選んだきっかけは、奈良先端大がiPS細胞の原点であるという理由からでした。奈良先端大には入学後に配属研究室を決定するという、大学院大学ならではの特徴がありました。入学後1ヶ月ほどはさまざまな研究室を見学し、自分に一番あった配属研究室を探す毎日で、当時はもちろん動物の胚発達や再生医療をあつかっている研究室に何度も足を運びました。

そんな中、たまたま通りかかったのが、新入生の歓迎のためカレーパーティーをしていた伊藤研でした。ちょうど夕食どきにカレーの香りに誘われてふらっと立ち寄ったことが私と伊藤研とのファーストコンタクトでした。今思えば、これが私の人生の転機だったのだと思います。そこで初めて、先生方や先輩方から植物の花発生や種子発達のお話を伺いました。植物の発生には動物の発生と通ずるものが多くあり、その中でも大学時代の教授が動物の発生で見出した遺伝子が植物の発生でも関与していたことに大きな衝撃を受けました。その日から私は植物の発生、特に初期発生である種子発達に興味を持ち、急遽配属希望を変更して伊藤研に配属することとなりました。そこからは種子一筋で研究に明け暮れ、卒業後も研究開発を続けています。奈良先端大と伊藤研での2年間で培ったものや多くの方との出会いはかけがえのないもので、貴重な時間と経験を頂いた伊藤研の皆様には心より感謝申し上げます。

皆様にも今後、大学院の選択から始まり、博士課程への進学あるいは企業への就職と多くの大きな選択をする機会が訪れると思います。選択のたびにたくさん悩むと思います。そんな時は家族や友人、先輩や先生等、多くの方に相談して下さい。そしてたくさんの選択肢を探してみて下さい。その中には想像もしない未来が待っているかもしれません。

また、奈良先端大に興味のある方は是非一度見学に訪れてみて下さい。もしかすると大切なきっかけと出会えるかもしれませんよ?

 

【2022年08月掲載】

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