NAIST 奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス領域

研究室・教員

卒業生の声 - 拡がるNAIST遺伝子 -

伊藤 由希子 さん

  • マルキン食品株式会社 経営企画室開発部 品質管理課
  • 2012年度(修士) 植物代謝制御

NAIST研究で培った、分析データから”何故この結果になったのか”を追究する視点

伊藤 由希子さんの近況写真

九州で生まれ育ち、大学も九州で過ごしていた私が、奈良先端大への入学を決めたのは、 オープンキャンパスでの多彩な研究室紹介を見て、実際に訪問した事がきっかけでした。 大学で巨大カボチャをテーマに顕微鏡と睨めっこだった私には、植物を扱っている研究室が多岐にわたる奈良先端大は非常に魅力的に映りました。 運良く入学出来た私は、当たり前のように交わされている会話に当初は驚くばかりでしたが、様々なカリキュラムや設備、ネットワークの中で、充実したサポートを受ける事が出来ました。奈良先端大は、言語はもとより多種多彩なバックグラウンドを持った人が多くいる事も特徴だと思います。

私は2年間を植物調節学講座で過ごし、木質バイオマスの構成要素である二次細胞壁の合成酵素複合体の解明および、二次細胞壁形成に関わる新規因子の探索をテーマに取り組んでいました。この2年間は今でも強烈な思い出となっており、先生・先輩はもちろん、後輩まで皆、実験はもとより就職活動に至るまで様々な点でご協力頂きました(皆様方には何度助けて頂いたことか…本当にありがとうございます)。 研究以外では、休憩室など隣の研究室はもとより別棟からも人が来て、皆でよくご飯会やミーティング、手相占いを披露したり(笑)と、本当に自由に楽しく過ごさせて頂きました。

現在私は、熊本県の食品会社の開発課で勤務をしています。配属当初は本社開発課で新商品の開発や新規原料の検査を担当し、翌年には揚げ物工場での品質管理を、そして今は豆腐の工場の品質管理を担当しています。奈良先端大での研究と品質管理の業務内容はだいぶ異なりますが、日々の分析データから「何故この結果になったのか」を追究する点は、現在も活かされています。製造現場と開発の橋渡しを担うことで苦労も多くありますが、当初から「モノづくり」がしたいと考えていた私にとって、商品が出来る最初から最後までの工程に携わることが出来る品質管理の仕事は、非常にやりがいがあります。 この職に就けたのは、研究室内での支援はもとより、学内でのきめ細やかな就職サポートのおかげだと思っています。 実は昨年、熊本で学会があった際にお声かけ頂いて、久々に研究室の皆様にお会いする事が出来ました。勤務先が工場見学を募集していた事も相まって、一部の方に工場案内が出来たなど、奈良先端大での繋がりが今も持てる事に嬉しくなります(笑)

私は奈良先端大に来た事で、ゆっくりとした九州の生活から一転しましたが、同時に多くの視点を持つ事が出来ました。周りの皆様の意識の高さに驚く事もありましたが、最先端の研究が出来る設備、そして多種多彩な人がいる環境に身を置けたのは、本当に幸せだったと今でも思います。もし奈良先端大に興味をお持ちなら、是非一度オープンキャンパスにお越しください。充実した研究生活が送れますことを祈っています。

【2016年05月掲載】

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