
O. H さん/修士課程2年
奈良先端大のバイオサイエンス領域を選んだ理由は何ですか?
疾患の機構解明に挑む研究が充実していて、研究に集中できる環境が整っていたためです。
私は「病気で苦しむ人から笑顔を取り戻したい」という思いから、学部時代から神経変性疾患やがんの研究に取り組んできました。さらに深く病気の原因に迫り、治療法の開発につなげていきたいと考える中で、熱意ある研究者が集まり、少人数制で丁寧な指導が受けられる奈良先端大に魅力を感じました。また、設備や予算の面でも充実していて、実験に全力で取り組める環境がある点も大きな決め手でした。「ここでなら、本当に納得のいく研究を行える」と考え、進学を決めました。
バイオサイエンス領域のどんなところが良いですか?
設備や予算、教育制度が充実していることはもちろんですが、留学生が多く、国際的な交流ができるのも魅力だと感じました。英語でレポートを書いたり、セミナーを聴いたりする中で、英語力も自然と伸びたと思います。また、他分野から来られた方も多く、普段とは違う視点からの話を聞けるのも刺激的です。研究室のメンバーや先生方とコミュニケーションを密に取りながら、研究に打ち込める環境が整っているのは、バイオサイエンス領域の大きな強みだと思います。
どのような研究をしていますか?
がん細胞の増殖メカニズムの解明を目指して研究を行っています。最近、所属研究室で同定されたタンパク質ががん細胞の増殖経路に関与する可能性が示されており、私は膵癌をはじめとした複数の難治性がんモデル細胞を用いて、その機能を解析しています。がんの進行に関わる仕組みを明らかにし、将来的な治療法や診断薬の開発につなげることを目指しています。
今後の目標を教えてください。
これまで取り組んできた疾患研究をさらに深め、難治性疾患の治療法開発に貢献できる研究者になることを目指しています。学部時代は与えられたテーマに沿って取り組むことが多く、やや受動的な姿勢になりがちでしたが、最近では関連論文を積極的に読み、ディスカッションを通じて自らの考えを発信することで、より能動的に研究に向き合えるようになってきました。今後は、大学院での研究を通して専門性と主体性の双方を高め、企業や研究機関とも連携しながら、社会実装につながる成果を生み出していきたいと考えています。
NAIST周辺のおすすめスポットを教えてください
研究の合間に一息つきたいときは、徒歩10分ほどで行ける「高山サイエンスプラザ」に足を運んでいます。ピアノを自由に弾けるスペースやアカリクが併設されていて、気分転換にちょうどいい場所です。生活面では、近くにスーパーがあるので食材や日用品の買い出しにも困りません。遊びに行きたいときは、最寄りの「学研北生駒駅」から電車で大阪や京都、奈良方面へ出かけることもあります。キャンパス周辺は自然も豊かで、夜にはウサギや流れ星が見えることもあります。静かな環境で集中して研究に取り組みながら、少し足を伸ばせば街にもアクセスできるため、メリハリのある生活が送れています。
NAISTで就活する際のコツなどあれば教えてください。
NAISTは就活支援制度がとても充実しているので、それを積極的に活用するのがコツだと思います。企業の募集情報や説明会、就活講座などが定期的に案内されるほか、ES添削や面接練習といった個別サポートも受けられます。自分一人で抱え込まず、これらの制度をうまく使うことで、より安心して就活に臨むことができると思います。
自画自賛してください。
スイッチのON/OFFがはっきりしていて、ギャップが大きいところが自分の長所だと思っています。普段はのんびりしていますが、ひとたび好きなことに向き合うと、周囲を驚かせるほどの熱量を発揮します。この切り替えの早さと没頭力のおかげで、興味を持ったことにはとことん打ち込むことができ、それがこれまでの成果にもつながってきました。「ここぞ」というときの集中力は、自分でも少し誇らしく思っています!
「これは他の人が経験したことがないだろう」ということがあれば教えてください。
3カ月の練習期間で30曲以上を演奏した経験です。学部時代、軽音楽部に所属し、キーボードパートを担っていた私は、卒業ライブで8バンドを掛け持ちし、約30曲を演奏しました。準備期間は3カ月。限られた時間の中で各バンドと綿密に打ち合わせをし、曲ごとに音作りを工夫しながら練習を重ねました。体力的にも精神的にもハードな挑戦でしたが、最後には全バンドでステージに立ち、やり切ることができました。「一つひとつの曲と真剣に向き合い、チームの中で自分の役割を全うする」経験は、現在の研究活動やチームでの協働にも通じる大きな糧となっています。