バイオエンジニアリング

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学生募集

研究室の指導方針

 当研究室では、生物の遺伝子発現制御機構を理解し、その知見をバイオテクノロジーに活用する研究、特に有用遺伝子を細胞内で効率的に発現させるための基盤技術の開発を行っています。学生が自身の研究や社会のニーズを論理的に理解し、知識の裾野を広げながら発展させていけるように指導を行っています。また、定期的な研究室ミーティングをはじめ、共同研究等を実施している(した)多くの研究者・実務者を産業界から招き、バイオサイエンスに関連する様々な分野や企業での研究開発に必要な知識を紹介します。これらの指導を通して、低成長・グローバル社会で幅広く活躍できる人材の育成を目指しています。

研究で身につく能力

 社会のニーズや諸問題が高度化し、複合化している現在、幅広い視野・知識を持った社会人・研究者が求められています。そのためには、専門教育に加えて、人間として備えておくべき倫理観、論理的な思考力、積極的な行動力、総合的な判断力、豊かな言語表現能力を養うことも必要です。当研究室での研究活動により、一般的な分子生物学に関わる技術およびデータ分析能力に加えて、次世代シーケンサー等を用いた大規模データを解析するための情報処理技術および機械学習に関連するスキルが身につきます。また、研究室でのディスカッションや共同研究、国内外の学会発表等を通して、コミュニケーションやプレゼンテーション能力を養うことができます。

研究設備

 一般的な生化学実験用の設備に加え、以下のような最先端設備を有しています。

オンライン研究サポート

 昨今の新型コロナウィルスの流行を踏まえ、在宅でも文献調査やデータ解析などの研究活動が継続できるようにオンラインでの研究サポートを行っています。主にZoomを用いた遠隔でのミーティングや、GitHubの組織アカウントを用いた研究室メンバー限定でのデータや情報の共有、掲示板での意見交換、共同でのデータ解析などを行っています。

修了生の活躍の場

 修了生は、バイオからITまで幅広い分野に就職し活躍しています。新入生の配属後には、OB・OG会(昨年のみオンライン開催)を行っています。当研究室では前身となる新名研・加藤グループや出村研・加藤グループの時代も含めると60人以上のOB・OGがいます。毎回10名程度のOB・OGに参加していただいているので、様々な業種に就職した先輩と顔をつなぎ、アドバイスを受けることができる貴重な機会となっています。

研究室のレクリエーション活動

 心身をリフレッシュし、健全な研究活動が行えるように不定期でのレクリエーション活動を行っています(もちろん参加は任意です)。新型コロナウィルスの流行が危ぶまれる状況下では、オンラインでの歓談会を行っています。写真には新型コロナウィルス流行前のものを含みます。また、随分と伸びてはいますが新型コロナウィルスの流行が落ち着いたら一緒に交流会をしましょうと声をかけている研究室もあります。

研究室への配属を考えている新入生へ

 研究内容の紹介や研究室の見学会、オンラインでの懇親会を企画しています。詳細はバイオサイエンス棟の掲示板にて通知いたします。

研究室配属 Q and A

生化学/データ解析/統計/プログラミング等の経験や知識がないのですが大丈夫ですか?

 大学卒業時に全ての技術を収めている人はほぼいないと思います。研究室に配属後に改めて必要な知識を教えるので、経験や知識がない人も安心してください。特にプログラミング技術に関しては、経験が元々あった学生は0人ですので、経験がないことを不安に思わないでください。加えて、本人の意欲や得手不得手に応じて実験を主とした研究や、データ解析を主とした研究などを提示します。

研究テーマはどのようにして決めますか?

 基本的には、本人の希望する研究の方向性を踏まえて、こちらからテーマを提示します。もちろん、研究テーマを自身で考えていただいてもいいのですが、有意義な研究テーマを考えるのは非常に難しいと思います。なぜならば、本学で皆さんには「答えを誰も知らない問題」について「最先端の技術や機器」を用いて研究を行ってもらいます。そのため、「研究の背景」と「技術や機器の知識」がなければ研究の計画を立てることができません。必要な知識を学び、計画を立てるだけでもかなりの時間が必要となるので、まずはこちらが提示した研究を行いながら学んでいっていただければと思います。1年が過ぎるころには、必要な知識・経験を学び、その分野の専門家として研究ができるようになるでしょう。1年目の研究成果を踏まえて、自身で研究の目的とゴールを再設定し、2年目の研究計画を立てられれば、自分の研究であるという自覚と自信が生まれるかと思います。「答えを誰も知らない問題」に取り組むため、成果は簡単には出ないかもしれませんが、修了時には、研究の答えが出せるようにスタッフ一同で精一杯のサポートを行います。

企業との共同研究や特許技術の開発に関わることはできますか?

 まず企業との共同研究に関しては、博士研究員以上のスタッフのみが研究を行っています。これは、共同研究は研究計画が厳密に決まっていること、基本的に学会や修士論文などで成果を公表できないことなどの複数の観点から、学生の研究テーマとすることが難しいからです。一方で、共同研究を開始するきっかけとなるシーズ技術は、学生の研究によって得られた基礎研究の成果であることも多いです。そのため、間接的に関わっている事例は多くあり、在学中に共同研究がスタートすれば実際に企業の研究者と対話する機会もあります。
 続いて、特許に関してです。まず、企業との共同研究によって得られた成果を特許化する場合は、上記にもあるように博士研究員以上のスタッフのみが関わることとなります。続いて、研究室単独で得た成果を特許化する場合、「技術の開発」に関するものは、非常に高度な知識・経験が必要となるため、必然的に博士研究員以上のスタッフが研究を行っています。一方で、「発見」的なものに関しては、過去に学生の研究成果が特許化された事例があります。これらは偶然の発見ではなく、既存のデータ等を基に候補を選抜し、その中から有用なものが見出された事例となっています。特許の発明者となるためには、「当該発明における技術的思想の創作行為に現実に加担した事実」が必要です。これは、単なる管理者*1や、単なる補助者*2、単なる後援者*3は発明者とならないという事です。上記の例であれば、どうすれば候補を選抜し、その有用性を示すことができるのかを「具体的に示す」必要があります。もし発明者となりたいのであれば、単に実験を行うだけではなく、新たな発見・発想ができるように常に考えるようにしましょう。
*1 部下の研究者に対して一般的管理をした者、例えば具体的着想を示さず単なる通常のテーマを与えた者又は発明の過程において単に一般的な助言・指導を行った者などです。
*2 研究者の指示に従い単にデータをまとめた者又は実験を行った者などです。
*3 発明者に資金を提供したり、設備利用の便宜を与えたりすること等により、発明の完成を援助した者又は委託した者などです。

就職活動を行うことはできますか?

 もちろん可能です。就職活動がスムーズに進めば、希望する企業に就職でき、研究も早くに再開でき、研究室の評判も上がり、来年の配属希望が増えるなど、いいこと尽くめです。そのため、就職活動には本気で取り組んでいただいています。当研究室には、OB・OGの善意によって多くのエントリーシートが残されていますし、OB・OGの紹介もしていますので直接アドバイスをもらうこともできます。
 就職活動期間中の研究活動は、個人の希望に応じて決めています。例えば、就活の息抜きに実験を希望する場合や、広い業種に応募するため就職活動が長期化することが避けられない場合では、空いた時間にコツコツと進めることを推奨しています。研究活動を完全に停止すると再開が億劫になり、手技も衰えます。バイオの研究には30分操作したら1日待たなければならないような作業もありますので、少しずつでも研究を進めたほうが息抜きにもなるかと思います。一方で、希望業種が限定されており、就職活動が短期間に集中する場合や、実験と就活の両立が難しいと感じる場合では、就活の方に集中していただいています。極端な例だと、3か月程度の期間、全く実験を行わずに就職活動中に集中した学生もいます。もちろん、就活が終われば次は本気で研究の方に取り組んでいただいています。
 就職活動には本気で取り組んでいただきますが、特に寮や一人暮らしをしている学生は、面接等の予定がない日であれば、研究室にはできる限り来ていただくようにお願いしています。エントリーシートなどの就職活動での書類作成も研究室で行うことを推奨しています。就職活動が進む中で落ち込むこともあるかと思いますが、一人で悩むよりは研究室に来て誰かに相談したほうが精神的にも楽になります。エントリーシートの書き方や面接の対応なども誰かに相談するべきです。もちろんスタッフも相談相手にも、疲れた時の雑談相手にもなります。

学会発表をすることはできますか?

 もちろん可能です。研究成果を公表するために、おおよそ1回から2回の学会発表をしていただいております。こちらのページ(読み込みに少し時間がかかる場合があります)を見ていただくと、学生の学会発表の実績を確認していただけます。M2の夏から秋にある日本生物工学会や日本植物バイオテクノロジー学会(旧名:日本植物細胞分子生物学会)に参加することが多いです。ここ最近の卒業生の学会発表の実績を以下にまとめています。

コアタイムはありますか?

 安全やコミュニケーションの観点から日中のスタッフがいる時間に研究を行っていただくようにお願いしています。そのため、平日は最低でも10時から16時の間は研究室に来てください。研究室に人が多い時間は9時から18時ぐらいの間となっています。平日はしっかりと研究をして休日はしっかりと休んでください。特にバイオエンジニアリング研究室は融合棟1号館にあり、深夜や休日は人が少なく事故があった場合に危険なため念のために実験は避けていただくようにお願いしています。なお、人は少ないですが、深夜や休日は玄関と廊下の2か所で施錠されているためセキュリティは他の棟よりも高いです。

本学の博士前期課程への入学を考えている大学生へ

 本学のバイオサイエンス領域では、研究室を見学・体験するためのプログラムを準備しています。詳細は下記のリンクをご覧ください。

本研究室を希望し博士後期課程からの入学を考えている方へ

 後期課程からの入学を希望される場合は、願書を提出する前に必ずご相談ください。