研究室・教員

卒業生の声 - 拡がるNAIST遺伝子 -

西村 隆史 さん

就職先
理化学研究所 発生・再生科学総合研究センター(現、多細胞システム形成研究センター)成長シグナル研究チーム チームリーダー
修了年度
2000年度(修士) 細胞内情報学

人生の大きな転機、NAISTへの進学

西村 隆史さんの近況写真

私は1999年に6期生として修士課程に入学し、貝淵教授(現在:名古屋大学医学系研究科)と稲垣准教授(現・神経形態形成学講座)のもと、神経細胞における極性形成機構の研究に携わりました。教授が名古屋大学へ異動したため、博士課程を名古屋大学で取得後、ウィーンのIMBA(オーストリア分子細胞工学研究所)にてポスドク生活とヨーロッパ旅行を満喫し、2009年度より現職に至っています。また2011年度からは、連携教育機関としてバイオサイエンス研究科の客員教員を担当しています。

大学院進学を決めた理由は、生物学が好きで研究者になりたかったという単純な動機と、大学時代に読んだ本「精神と物質」(立花隆・利根川進著)に感化されたからでしょうか。あまり深くは考えず、昆虫生理学系の他の大学院を受験しましたが見事に失敗。その後、途方に暮れていたところ、大学時代の先輩、岡村勝友さんが進学していたから、という理由で奈良先端大に興味を持ち、受験、進学しました。

入学当時、水産学部出身の私は、分子生物学や細胞生物学の知識がほとんどありませんでした(失礼ながら、貝淵教授のこともsmall GTPaseも知りませんでした)。「Essential細胞生物学」を学んで演習を行うという研究科のカリキュラムは非常に助けになりました。また、その間に配属先を選べる時間があったことも良かったと思います。構造生物学や発生生物学など、いろいろと迷いましたが、個体を理解するにはまずは個々の細胞の中から知りたい、という考えのもと細胞内情報学を選択しました。

授業のみならず、やることなすこと全てが新鮮だった私にとって、大学院時代の研究生活は大変ではありましたが、苦ではありませんでした。皆についていくのが大変で、余裕がなかったとも言えますが、厳しくもあり格好良い先輩達のもと、恵まれた環境で充実した修士課程を過ごすことができたと思います。

生化学と細胞生物学から始まり、ショウジョウバエの発生生物学を経て、独立ポストでやっと念願の(?)昆虫生理学に近い分野まで戻ってきました。第一希望の大学院にすんなり進学していたら、おそらく今の職まで辿り着けなかったように思います。大学院、講座、研究テーマ、就職先と幾つもの選択肢がありますが、人生どこでどう転ぶか分からない。後悔しないように、その時々を精一杯生きる、それが私の信条です。

(前列中央が筆者)

【2012年02月掲載】

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