NAIST 奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス領域

研究室・教員

設備機器紹介

生命科学研究基盤センター(LiSCo)共用機器・設備紹介

共焦点レーザー顕微鏡

レーザー光源を用いて特定の位置に焦点を合わせた観察ができるため、蛍光ラベルされた細胞内の構造などの厚い試料でも、ピントの合った画像を得ることができます。多色蛍光観察、三次元立体構造解析、タイムラプス観察、光刺激実験など様々なライブイメージング実験に活用できます。 Laica SP8 FALCONとZeiss LSMシリーズ(LSM980、LSM900、LSM710)を設置しています。

共焦点レーザー顕微鏡
共焦点レーザー顕微鏡 撮影画像例

ライトシート蛍光顕微鏡

試料に対して、シート光をマルチアングルで照射することで、3次元構造を持つ生体試料であっても、光毒性や退色が少なく、高速イメージングが可能です。そのため、動物、植物、3次元培養細胞などの試料での蛍光ライブイメージングに最適です。(透明化したサンプルの観察にも利用できます。)

ライトシート蛍光顕微鏡
ライトシート蛍光顕微鏡 撮影画像例

フローサイトメーター

細胞や微生物の解析・分離が、効率よく自動でできる装置です。発現レベルの低いたんぱく質や、希少な細胞を検出測定でき、個々の標的粒子を分取できる高速ソーティング機能や複数の蛍光標識抗体によるマルチカラー解析にも対応しています。SONY MA900は動物細胞と植物細胞の専用機があり、全自動でセットアップが完了し、簡単な操作で高精度な細胞のソーティングができます。BD FACSAria fusionは高感度・高分解能に加えて、5レーザー18カラーの観察ができます。細胞解析にはBeckman CytoFLEXも使用できます。

フローサイトメーター
フローサイトメーター データ例

質量分析計

プロテオミクス解析(タンパク質や翻訳後修飾部位の同定、定量解析、精密質量測定)およびメタボロミクス解析(一次代謝物や二次代謝物、脂質類、微量成分の分析)を行えます。UHPLC(nano-flow対応Vanquish Neo、DAD/PADおよび蛍光検出器搭載Vanquish Duo)やGCを接続し、ハイスループットに効率的かつ迅速な分析が可能です。Q pole-Orbitrap型 (Orbitrap Exploris 240)、リニアイオントラップ型(LTQ XL)、トリプル四重極型 (TSQ Vantage) を設置しています。

質量分析計
UHPLC

プロテインシーケンサー

プロテインシーケンサー(PPSQ-31A)はタンパク質やペプチドのアミノ酸配列を決定する装置です。エドマン分解法により、N末端側から1残基ずつアミノ酸を遊離し、遊離したアミノ酸をHPLC分析することでアミノ酸配列を自動で決定できます。

プロテインシーケンサー
プロテインシーケンサー データ例

マイクロフォーカスX線CTシステム

マイクロフォーカスX線発生装置と高感度検出器を搭載したコンピュータ断層撮影装置です。試料を360°回転させながら高速撮影することで3次元観察を行うとともに、非破壊のまま試料内部の構造を観察することができます。VGSTUDIO MAXソフトウェアを利用して、より高度なCTデータの解析も可能です。

マイクロフォーカスX線CTシステム
マイクロフォーカスX線CTシステム  データ解析例

卓上走査型電子顕微鏡

細く絞った電子線で試料を走査し、発生した信号を検出して、試料の表面構造を光学顕微鏡よりも高倍率で観察できます。PCデスクに納まるコンパクトサイズの走査型電子顕微鏡TM4000 Plusがあります。低真空下で前処理なしの含水含油試料の観察や、ワンクリックで欲しい箇所の高画質画像の取得が可能など、簡便かつ迅速に観察を行うことができます。さらに元素情報も調べることができます。

卓上走査型電子顕微鏡

生体内発光・蛍光イメージングシステム

生体内の非常に微弱な発光や蛍光を超高感度冷却CCDカメラで捉えて、定量化できる生体内イメージングシステム・IVIS Lumina X5を設置しています。2次元発光·蛍光イメージングと高解像度のX線を組み合わせて、蛍光たんぱく質を導入した動物の観察や蛍光標識した薬剤の動態などを高速で測定できます。

生体内発光・蛍光イメージングシステム

シングルセル解析システム

ゲノム情報を個々の細胞レベルで網羅的に計測・解析するシングルセル解析の前処理のための装置を設置しています。自動で組織を分散・破砕できるホモジナイザーや人工知能を活用して測定困難な小さい細胞や凝集した細胞でも正確に細胞数を測定できるセルカウンター、数百~数十万個の細胞の遺伝子発現解析ができるChromium iXスタンダードシステムがあります。

シングルセル解析システム

DNAシーケンサー

遺伝情報の基盤となるDNAをDideoxy法で反応させ、電気泳動を用いて分子量の大きさに従って分離し、レーザー光でその蛍光を検出することにより塩基配列を自動的に、正確かつ大量に決定する装置です。1塩基多型解析やAFLPなどの多様なスクリーニングやフラグメント解析にも利用できます。4サンプルから24サンプルまで、解析サンプル数の異なるシーケンサーが数台あります。

DNAシーケンサー
DNAシーケンサー データ例

リアルタイムPCRシステム

目的遺伝子の発現をリアルタイムでモニタリング解析できる装置です。電気泳動不要で、核酸の定量的・定性的解析やジェノタイピング、SNPs解析などが可能です。ほとんど全ての蛍光色素が利用でき、マルチプレックスアッセイにも適しています。近年では、RNAiやmicroRNAの解析、幹細胞解析、がん関連マーカーや病原菌遺伝子の検出・定量にも多く利用されています。384ウェル・96ウェルプレートや8連チューブで解析できます。

リアルタイムPCRシステム (LightCycler480)
リアルタイムPCRシステム データ例

液体窒素凍結保存システム

液体窒素の超低温(-196℃)を利用して、組織や細胞を長期的に保存できるシステムです。 液相タンクと気相タンクがあり、動物受精卵や精子、各種細胞などを半永久的に保存できます。また、DNAやRNAなどの遺伝子試料を瞬間凍結する際にも用いられます。

液体窒素凍結保存システム
保存容器内

植物実験施設

遺伝子組換え植物と非組換え植物を栽培できる大型の温室が2棟あります。各部屋や人工気象室は、温度や照度、湿度を設定することができ、様々な植物を多様な生育条件で栽培することができます。研究用の植物材料及び種子の確保のための実験圃場・グリーンラボもあります。

植物実験施設
植物実験施設 栽培室

動物実験施設

本学で行われる研究および教育のための利用を目的とした施設です。微生物学的に管理された実験動物が飼育されています。また動物実験を行うための環境が整備され、専門の職員による技術提供も行っています。利用者は定められた規則を遵守し、適正な自主管理のもと動物福祉に配慮した動物実験を行っています。

動物実験施設
動物実験施設 飼育室

放射線実験施設

放射性同位元素はその使用が法律で厳しく規制されており、放射線実験施設の管理区域内でのみ取り扱うことができます。施設には教育訓練を受け、許可された人のみ入室可能です。放射性同位元素は、ごく微量な試料の分析・解析には、非常に感度がよく、トレーサー実験や細胞増殖測定に用いられています。

放射線実験施設内
解析装置例