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奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス領域

Research 研究成果の紹介

微生物インタラクション研究室の吉岡求さん(D1)が日本生物工学会で学生優秀発表賞を受賞

微生物インタラクション研究室の吉岡求さん(D1)が日本生物工学会で学生優秀発表賞を受賞しました(2025年10月6日)。

受賞のコメント

 この度は栄誉ある賞を賜り、大変光栄に存じます。これまでご指導賜りました先生方に感謝申し上げます。これからも日々精進してまいります。

受賞研究課題名

奈良漬に適応した乳酸菌Fructilactobacillus fructivoransを特徴づける好エタノール性とその分子基盤

受賞内容

 奈良漬とは、塩漬野菜を熟成酒粕に漬けて製造する伝統的な漬物です。奈良漬の製造過程では、乳酸菌Fructilactobacillus fructivoransが優占種となるユニークな微生物生態系が形成されています。本研究では、奈良漬の製造環境に適応した乳酸菌F. fructivoransの生育特性に注目しました。生育特性解析の結果、奈良漬から単離したF. fructivoransが5~10%エタノール存在下において最も良好な生育を示す好エタノール性微生物であることを発見しました。F. fructivoransの由来の異なる株についても同様の解析を行った結果、好エタノール性の有無や生育に最適なエタノール濃度は株によって様々でした。このことから、生育環境に依存したエタノール適応能力を有する微生物種であると考えられます。さらに、奈良漬由来株の好エタノール性の原因を探索するために、F. fructivorans 奈良漬由来株と、非好エタノール性の標準株を用いてRNA-seq解析を実施しました。その結果、奈良漬由来株では、エタノールの有無によらず、F. fructivorans に固有の脂肪酸合成酵素遺伝子クラスター(fabZ3~sfp)の発現レベルが標準株と比べて低下しており、本クラスター全体の発現低下が好エタノール性に関与している可能性が示されました。

関連資料

日本生物工学会

【微生物インタラクション研究室】

研究室紹介ページ:https://bsw3.naist.jp/courses/courses313.html
研究室ホームページ:https://bsw3.naist.jp/microbial_interaction/

(2025年11月05日掲載)

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