微生物インタラクション研究室の赤坂直紀助教が日本生物工学会「第58回生物工学奨励賞(江田賞)」を受賞
微生物インタラクション研究室の赤坂直紀助教が日本生物工学会「第58回生物工学奨励賞(江田賞)」を受賞しました(2025年9月10日)。
受賞のコメント
この度は身に余る賞を賜り大変光栄に存じます。これまでご指導賜りました先生方、先輩方、共に研究活動に従事して頂いた学生の皆様方、ご推薦ならびにご指導頂いております本学の渡辺大輔准教授に衷心より御礼申し上げます。本受賞に恥じぬよう、今後も研究、教育を通じて、微力ながら発酵醸造研究の発展に全力を尽くす所存ですので、ご指導ご鞭撻の程何卒よろしくお願い申し上げます。
受賞研究課題名
酢酸菌および麹菌が生産する有用機能性物質に関する研究
受賞内容
本研究では、醸造微生物が生産する機能性物質に着目し、その生産機序を解明することで、醸造製品の価値向上と新たな用途開発に取り組んできた。酢酸菌の研究では、生活習慣病諸症状を改善する作用を有する分岐鎖アミノ酸を高生産する変異株を作出し、その生産性が特定の転写因子の機能欠損に起因することを解明した。また、この変異株がショウジョウバエ誘引物質を副生することを見出し、これを応用することで誘引作用が増強された衛生用品(捕虫器)を開発し、醸造技術の新たな可能性を広げた。麹菌の研究では、認知機能の改善など、その多岐に渡る「生活の質」改善作用から注目を集める機能性ポリアミン(アグマチン)が麹菌により生産されることを明らかにし、「ヒトの健康増進」という観点から、醸造工程において麹菌を用いる重要性を提示することができた。
受賞団体名
関連資料
(1) Murakami et al. 2024. Appl Environ Microbiol 90: e0029424.
(2) Ishii et al. 2021. J Bacteriol 203: e0016221.
(3) Akasaka et al. 2018. Appl Environ Microbiol 84: e00722-18.
(4) 赤坂ら. 2012. 生物工学会誌 90:374-380.
【微生物インタラクション研究室】
研究室紹介ページ:https://bsw3.naist.jp/courses/courses313.html
研究室ホームページ:https://bsw3.naist.jp/microbial_interaction/
(2025年10月06日掲載)