卒業生の声 H28年度

佐 伯 健


H28年度修士修了/就職


自分の研究について


ずっと植物の研究をしたくて、奈良先端大を志望しました。その中でもエピジェネティックな遺伝子発現制御機構に興味を持ち、花発生分子遺伝学研究室を選択しました。
エピジェネティックな制御を行う変異体を用いる中で、植物の形態形成が、環境によってダイナミックに変化することに面白さを感じました。その中でも、植物が生きるために重要である、根の形態形成に強い興味を持ち、根の形態形成機構の解明を試みました。

先端大での思い出


この二年間辛い時もありましたが、本当に毎日楽しく過ごせたと思っています。それは、素晴らしいラボの仲間達と出会えたからだと思います。自分の事だけをするのではなく、仲間達と辛い事や楽しい事を共有し、切磋琢磨できた事が、一番楽しく思っています。

松 原 聡


H28年度修士修了/就職


自分の研究について


エピジェネティックな遺伝子の発現制御という観点から、植物の高温耐性に関する機構を解析する研究を行いました。この分野はまだ多くのことが分かっていませんが、注目度が高い分野だということもあり、自分が未知の分野に関して研究を行っている実感を持って研究に取り組むことができました。この研究室は、研究の進行に関して生徒の提案を大切にしてくださり、自分の意見をプログレスなどの場面で発しやすい雰囲気でした。ですので、先生のバックアップを受けながら、自ら主体性を持って研究を行うことができたと感じています。

先端大での思い出


横のつながりが非常に大きな大学院だったと思います。奈良先端大に入学するまで、僕は大学院生というものに、「研究室にひたすらこもり、研究に励んでいる」というイメージを持っていました。人間関係も研究室内で完結するのではと思っていたのですが、この大学院はグループディスカッションなどで議論する授業が多く、同じ学年の生徒と交流する機会が多くありました。また、研究科内の行事も盛んで、ソフトボール大会などは研究室で参加し、とても楽しむことができました。イメージと違い、大学院生として幅広い交流を持てたことが、この大学院に進学して良かったと思える一番のポイントです。

平 井 光


H28年度修士修了/就職


自分の研究について


「シロイヌナズナのアクセッションを用いた高温順化に働く遺伝子群の探索」
植物は一度高温にさらされると、その経験は数日から数週間ほど記憶され、同程度またはそれよりも少し高い温度にも耐えるようになる高温順化という現象を示します。高温に対して耐性を与えるためには、熱応答遺伝子群が働いて、高温によって傷ついたタンパク質を修復することがわかっています。一方、遺伝子発現が開始されるまでに時間がかかるような制御には、ヒストンの修飾などのエピジェネティックな遺伝子発現制御が重要である可能性が示唆されています。しかしながら、環境が劇的に変化する時にはどのような遺伝子群が環境情報の記憶において中心的な役割を果たすのかはわかっていません。私は自然環境において、環境の変動に対応できた個体だけが次世代に個体を残すことに成功し、獲得した生存戦略をゲノムに刻み込んでいると予想し、モデル植物であるシロイヌナズナが生育する地域の野外環境によって適応分化し、遺伝学的に固定した系統(アクセッション)を解析して、高温順化の能力の違いを評価しました。

先端大での思い出


夏のキャンプやスポーツ大会など、ラボ全体で楽しめる行事がたくさんあって楽しかったです。あと、テーマが途中で変わり、実験を詰めたために右手の手首が腱鞘炎になってしまった事が印象に残っています。

後輩へのメッセージ


実験が行き詰まったり、失敗して落ち込んだりした時に同期のメンバーと食事をしながら研究について相談したり、アドバイスを受けることで実験の改善を行うことができました。後輩となる方々もいろんな人とディスカッションを行うことで、成功への糸口を見つけられるように頑張ってください。

辰 見 嘉 隆


H29年度修士修了


自分の研究について


学部時代はタンパク質の機能解析について研究していたが、全く知識のない植物の花の研究をしている研究室に入りました。初めの頃は当たり前のことがわからずに右往左往していましたが、丁寧に教えてくださる先生や先輩方、質問しやすい雰囲気であったジャーナルセミナーやプログレスセミナーのおかげで、研究を進めることができました。

 花の研究は、遺伝子をノックアウトすることで目にみえる大きな変化が出るところが面白く、興味を持って実験に取り組むことができました。

先端大での思い出


 先端大は実験だけでなく、イベントが多くありました。その中でも駅伝大会は印象的であり、仮装を行いながら走ります。その大会で2年連続仮装大賞を獲得することができました。研究室のみんなで試行錯誤しながら準備をしたのはいい思い出です。

 また私は、M1のとき駅伝大会前に足を骨折をして走れなかったのですが、教授や助教授の先生方に台車で押してもらうという大変貴重な体験をしました(笑)。優しい先生に見守られ楽しく過ごすことができました。

後輩へのメッセージ


大学院は修士卒だと2年と短く、やることはたくさんありますが、充実した生活ができます。社会に出るために必要な能力をたくさん身に付けることができるため、ぜひ頑張り続けてください!!!

松 下 夏 純


H29年度修士修了


自分の研究について


花が好きで、花のことを知りたいと思い、花発生分子遺伝学研究室を志望しました。
植物は正常な数の花器官を形成するために、花器官形成に関わる遺伝子の発現のタイミングを制御しています。このタイミングの制御にはエピジェネティックな遺伝子発現制御が関わっており、私はヒストン修飾の数と細胞分裂に着目し、エピジェネティックな発現制御機構を解析する研究を行いました。先生方はとても温和で優しく、植物に関して右も左も分からない私に丁寧に指導してくださり、質問にも私が理解できるまで答えてくださいました。

先端大での思い出


多くの新しい出会いがあったことが先端大に来て一番良かったと思えるところです。授業やスポーツ大会、サークル等交流する機会が多くあり、たくさん刺激を受けました。また、先端大では地域の方との交流も多く、とても楽しい学生生活でした。研究室では、お誕生日会も開催され、これまでで一番ケーキを食べた2年間でした。

後輩へのメッセージ


研究に関しても、またそれ以外の行事でも、やりたいことは何でも提案すると良いと思います。先生方も学生もフットワークが軽い人たちが多いので、きっと協力してくれます。たくさんの人を巻き込んで、研究も行事も楽しんでください。

山 口 京


H29年度修士修了


自分の研究について


私は様々な研究分野を専攻してきた多くの学生と共に研究をすることで、自分の殻を剥こうと、奈良先端大を志望しました。その中でも植物の研究に興味を持ち、花発生分子遺伝学研究室を選択しました。
私の研究は、種子崩壊する雌しべ親にDNAメチル化レベルが低下した花粉親を用いることで、種子発達が正常に回復することに着目し、胚乳の発達メカニズムの解明を目指しています。知らない人はいない胚乳の発達メカニズムが未解明である部分に興味を持ち、研究を始めました。植物の知識もほとんどありませんでしたが、研究室の先生や技術補佐員の方々に助けて頂いたお陰で、充実した研究生活を送ることができました。

先端大での思い出


同期が多いことが最も印象的でした。
研究面や就活面で情報交換を同期で多く行うことで、楽しい時を共有し、辛い時も乗り越えることができました。

後輩へのメッセージ


後輩の皆さんには、就活や研究をする上でPDCAサイクルを大切にして欲しいと思っています。
PDCAサイクルは、Plan、Do、Check、Actionを繰り返すことで、研究では当たり前のことなのですが、私の就活経験からもその大切さを知りました。
以前、ある会社の最終面接を受けた際に、自分で考案した商品アイデアを志望動機に織り交ぜて話す機会がありました。その結果、アイデア自体には良い評価を頂けたものの、選考は落ちてしまいました。この面接での失敗を自分なりに反省したところ、私は商品アイデアのみ考え方にとらわれすぎていることに気がつきました。次の選考が亀田製菓の最終面接だったので、商品アイデアだけでなく、その商品が世に出た時にどのような競合市場が考えられるのか、競合商品に打ち勝つためにはどのようなメリットが必要か考え、提案しました。その結果、内定を頂き、現在に至ります。
この内定は前回の失敗から得た反省(Check)を活かした(Action)成果だと考えています。
後輩のみなさんも辛いとは思いますが、選考で落ちた現実にしっかりと目を向けて反省することで、ご縁が無かった会社よりもより良い会社に内定がもらえる可能性が高くなると思います。
就活を失敗する前提で話をしてしまい、大変申し訳ありませんが、私の失敗体験が少しでも就活生の手助けになれば幸いです。