研究室・教員

卒業生の声 - 拡がるNAIST遺伝子 -

花野 恵子 さん

就職先
株式会社 富士通ビジネスシステム
修了年度
2005年度(修士) 形質発現植物学

仮説を立て、検証し、うまく問題を切り分けながら完成を目指していくプロセスはまさに研究で取るアプローチそのままでした。

花野 恵子さんの近況写真

好奇心旺盛。NAISTに興味を持ち、このページをご覧になっている方は一度はこのように言われたことがあるのではないでしょうか。私も小さい頃から自然現象に興味があり、子供向けの科学雑誌などで「どうして雲はできるのか?」などの科学知識を仕入れては満足していました。ですので進路を選ぶにあたり、「世界中の誰も知らないことをほんの少しでもいいから自分が解明できたら素敵だな」と考え、学校の授業の中でも特に生物学が気に入っていたことから大学では遺伝子工学を専攻しさらに修士に進学することにしました。

NAISTでは非常に恵まれた環境で研究を行うことができました。機器や器具、試薬は驚くほどに揃っており、大抵の論文は読み放題でした。専用の実験ベンチやデスク、パソコンも割り当てられました。そんな中私は形質発現植物学講座でシロイヌナズナの形態形成に関わる遺伝子について調べましたが研究には大変苦労しました。その一番の原因は研究対象が生物だったことにあります。少し目を離した隙に観察に、形質転換に、etc.ベストなタイミングを少し外れてしまった植物を前に途方に暮れたことは数え切れません。そうでなくても何か結果が出た時にこれは本当に正しい結果なのか、それともたまたまこのようになっただけなのかと常に落ち着かない気分が付き纏いました。このような私でしたが田坂先生および相田先生は非常に丁寧かつ根気強く指導してくださり、なんとか修了することができました。今でも研究室の先生方や先輩方、同期達には大変感謝しています。

さてこのような状況でしたので就職先を検討するにあたり、バイオサイエンスは相変わらず好きでしたが研究職はやめておこうと考えました。そこで以前から興味があり、しかも誰がキーボードを叩いても入力内容が同じなら必ず同じ結果が出るコンピューターに魅力を感じたため現在の会社の採用試験を受け、無事に内定を頂くことができました。

バイオサイエンスマスターなSE。一見ミスマッチのように思えます。しかし仕事を始めてみるとNAISTで得たことは業務でも活かせることに気が付きました。例えば開発や環境構築でシステムが意図した通りに動かないことは多々あります。その際に仮説を立て、検証し、うまく問題を切り分けながら完成を目指していくプロセスはまさに研究で取るアプローチそのままでした。また、修士論文の執筆などで身に付けた物事を纏め人に分かりやすく伝える技術は常に役立っています。逆に業務の中で得たタイムマネジメント術や報・連・相の極意などをもって修士を行っていたら、もう少しマシな結果を出せて先生方に恩返しできたのではないかと遠い目をして考えることもあります。このように研究を通して身に付く事柄は非常に汎用性が高いのです。

NAISTは自分の持てる最大限の力でサイエンスに向き合い挑戦するステージとして最適だと言えるでしょう。また、私のように研究職ではない道に進んだ人でもNAISTでの経験は決して無駄にはならないと思います。一人でも多くの方がNAISTで学び、素敵な進路を見付けてくれるとNAISTの一先輩として嬉しく思います。

【2010年10月掲載】

一覧へ戻る