NAIST 奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス領域

研究室・教員

卒業生の声 - 拡がるNAIST遺伝子 -

安藤 鮎美 さん

  • 熊本県熊本農政事務所 農業普及・振興課
  • 2006年度(修士) 形質発現植物学

農業者の皆さんの農業技術や経営を向上するための支援を行っています。

安藤 鮎美さんの近況写真

現在、私は熊本県の職員として、県庁の出先機関である、熊本県熊本農政事務所 農業普及・振興課に所属しています。業務内容については、生産者に直接接して、農業技術の指導を行ったり、経営相談に応じたり、農業に関する情報を提供し農業者の皆さんの農業技術や経営を向上するための支援を行っています。私が担当しているのは野菜で、管内である熊本市は、ナス、トマト、メロン、スイカ、キャベツ等、施設園芸を中心とし、多様な作物を生産している野菜の一大産地です。私は農家出身でなく、大学院での専門分野とも違っているため勉強しないといけないことばかりですが、この様な場所で野菜産地づくりの支援というやりがいのある仕事ができ、非常に幸せだと感じています。生産者の方と話していると、奈良先端大で学んだ植物の外部環境の応答や、形態形成の話がでることもあり興味深いです。

私はバイオサイエンス研究科形質発現植物学研究室で、田坂教授、森田准教授のご指導の下、シロイヌナズナを材料に重力屈性に関わるタンパク質の機能解析に取り組みました。初めて植物を研究対象として扱うことに加え、技術の応用をテーマとしていた大学時代とは逆のベクトルである基礎系の研究を行うこととなったため、最初は不安ばかりでした。しかし、先生方や諸先輩方の温かく熱心なご指導のもと、とても密度の濃い研究生活を送ることができました。

私が奈良先端大を選んだ理由は、第一に、さまざまなバックグラウンドを持つ人たちと一緒に勉強・研究ができると思ったからです。自分は農学部出身だったのですが、周りには理学部、薬学部、工学部のほか、文系の学部出身の友人がいました。そのような人たちと机を並べ、話をするのは刺激的で非常に楽しいものでした。第二に、研究する環境が整っていたことです。研究の設備等が充実していたことに加え、1年時の授業、研究活動の中ではディスカッションやプレゼンテーションを通じ、論理の組み立て方や、自分の考えを相手に伝え、理解してもらう方法を学ぶことができました。このことは今の自分にもとても役立っています。他の大学院にはない環境で学んだ2年間は、自分にとってかけがえのない宝物です。

これから奈良先端大に入られる皆様も、ここにしかない研究生活を存分に楽しんでください。そして、色々な人たちと交わり、有意義な学生生活を送られることを願います。

【2010年07月掲載】

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