NAIST 奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス領域

研究室・教員

卒業生の声 - 拡がるNAIST遺伝子 -

北川 涼子 さん

  • 金沢大学大学院 医学系研究科 保健学専攻
  • 1997年度(修士) 細胞構造学
北川 涼子さんの近況写真

医療系大学出身の私は、国家試験に必要な分子生物の知識はありましたがそれ以上の知識や実験テクニックなどは全くの素人でした。そんな私が奈良先端大を志したのは、学部を持たない大学院大学でありバックグラウンドにとらわれずに受験することが出来、且つ世界的に活躍しておられる先生方から直接指導を受けることが出来るからです。実際、学生の出身大学は日本全国北から南、海外まで、そして出身学部も理学、農学は当然のことながら医療系、家政系、コンピュータ関係の人までと本当に多彩で驚きました。おかげで孤立感も無く、また新鮮な刺激にもなりました。

大学の卒業研究は経験していましたが、研究室を決める際、研究室説明会に行ってもパンフレットを読んでもさっぱりチンプンカンプンで、「こりゃまた大変なところに来てしまったもんだ」と思ったものです。それでも何とか研究室を決め配属されてみると、研究にも指導にも熱心な先生方が基礎から教えてくださいました。また、よき先輩とよき同期に恵まれ、時には叱咤激励、時には遊びに連れて行ってもらい、時には邪魔をされながら、苦しかったり楽しかったりの日々でした。特に研究室年1回のキャンプ、たくさんあった飲み会、空き時間にやっていた卓球が忘れられない楽しい思い出です。奈良先端大時代の先生、先輩、友人たちとは今でもよき関係です。そして何よりも研究者としての姿勢も奈良先端大時代に身につけたものだと思います。

今の職場である金沢大学へは、奈良先端大 1年目の秋に応募しましたが、在学中は何の連絡も無く諦めていました。ところが奈良先端大卒業後に連絡があり、採用試験を受けることになりました。採用して頂けたのは、臨床検査技師の資格を持っていること、そして何よりも奈良先端大で習得した数々の技術が認められてのことだと思います。

職場では、臨床検査技師の資格を得るために必要な血液学、生理学、ウイルス学、寄生虫学などの学生実習や講義を担当する傍ら、奈良先端大で学んだ様々な技術を生かして、サイトメガロウイルス前初期遺伝子発現の調節機構についての研究活動も行っています。また、2004年4月から、兼ねてからの夢であった青年海外協力隊に現職で参加させて頂き、2006年4月に帰国しました。任国のホンジュラス共和国では、中南米のみに存在する「シャーガス病」の対策のための活動をしていました。シャーガス病は寄生虫感染症で、媒介するのは昆虫の一種、吸血カメムシ(サシガメ)です。主な仕事はサシガメの生息調査、感染者調査、殺虫剤散布活動、教育啓発活動などでした。山登りと虫採りがメインのこの仕事では、奈良先端大で学んだ実験手技は使うことはありませんでしたが、度々あった仕事のプレゼンテーションをする技術も、奈良先端大で学んだものです。また、比較的(かなり)のんびりとした現地人との仕事上のやりとりにおいても、奈良先端大で培った忍耐力、粘り強さが生かされたのは言うまでもありません。

奈良先端大での2年間は、特に私のような“分野外"出身者においては、知識やスキルのみでなく、研究者としての姿勢を学ぶための期間であったと思います。恐る恐る飛び込んだNAISTワールドでしたが、今やその経験が現在の仕事に生かされていると感じています。

“分野外"であっても恐れることなく、私のように奈良先端大に飛び込んでみてはいかがでしょうか。きっと充実した研究生活を送ることが出来ると思います。

【2007年07月掲載】

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