分子免疫制御研究室の廣木秀哉さん(博士後期課程3年)が日本免疫学会主催「第26回免疫サマースクール」において「最優秀ポスター賞」を受賞
分子免疫制御研究室の廣木秀哉さん(博士後期課程3年)が日本免疫学会主催「第26回免疫サマースクール」において「最優秀ポスター賞」を受賞しました(2025年8月28日)。
受賞のコメント
この度の受賞、大変光栄に存じます。免疫サマースクールは、著名な免疫学者が講師として集まり、最先端の研究を多く拝聴できる貴重な機会です。こうした環境でポスター最優秀賞をいただけたことは、非常に名誉なことであると感じています。ご指導いただきました河合先生をはじめ、研究室の皆様に心より感謝申し上げます。今後も新たな知見を得られるよう精進してまいります。

受賞研究課題名
炎症応答制御に関与する新規環状RNAの同定と機能解析
炎症応答は、体内に侵入した細菌などを排除するための重要な生体防御反応です。しかし、過剰に働くと自己免疫疾患や慢性炎症につながるため、厳密に制御されることが重要です。
私たちの研究では、この炎症応答の初期に働くマクロファージと呼ばれる免疫細胞に注目しました。解析の結果、これらの細胞で約2,000種類の環状RNA (circRNA) という特殊なRNAが存在し、その一部は炎症の過程で発現量が変化することが分かりました。
さらに、発現が変動するcircRNAを細胞内で人工的に増やし、その影響を調べるスクリーニング実験を行いました。その結果、炎症性サイトカインであるインターロイキン6の産生を増やし、炎症応答を強めるcircRNAを新たに発見しました。
この成果は、炎症性疾患の新しい診断マーカーや治療標的の開発につながることが期待されます。
関連資料
分子免疫制御研究室
研究室紹介ページ:https://bsw3.naist.jp/courses/courses209.html
研究室ホームページ:https://bsw3.naist.jp/kawai/
(2025年09月04日掲載)