研究成果

研究成果

構造生命科学研究室に在籍されていた古川新さんが、井上科学振興財団における「第35回(2018年度)井上研究奨励賞」を受賞しました。

膜分子複合機能学(現:構造生命科学)研究室に在籍されていた古川新さんが、井上科学振興財団における「第35回(2018年度)井上研究奨励賞」を受賞しました。

受賞のコメント

この度,第35回井上研究奨励賞を受賞することができ,大変光栄に思います.  この賞をいただくことができたのは,ご指導いただいた塚崎教授や田中助教を始め,研究を進める上でお世話になった研究室のみなさんのおかげであり,心より感謝いたします.今回の受賞を励みに,より一層の努力を重ね,科学を通して社会に貢献できるように頑張っていきたいと思います.

 

受賞内容

全ての生物は,生体膜によって外部から隔離された細胞システムを持ちます.その生体膜へのタンパク質の膜組込みや膜を越えた輸送は,生命に必須の現象です.本研究で私は,バクテリアにおいてタンパク質膜組込みを行うYidCおよびタンパク質膜透過を駆動するSecDFのX線結晶構造解析・機能解析から膜を介したタンパク質輸送メカニズムを提唱しました.
YidCの解析では,YidCの機能に重要なアミノ酸の同定ならびに輸送されるタンパク質との相互作用部位を同定しました.YidCの結晶構造と統合して,YidCによるタンパク質の膜組み込みモデルを提唱しました.
SecDFの解析では,これまでに知られていなかった計4種類の構造を決定し,遺伝学的・生化学的な実験及び分子動力学計算による機能解析を行いました.その結果,SecDFは遠く離れた領域を含む全てのドメインが細胞内への水素イオンの流入に伴うエネルギーを利用してダイナミックに構造変化を起こし,タンパク質膜透過を駆動するという作業仮説を提唱しました。
これらの研究成果は,今後のタンパク質輸送研究のための基盤情報となります。

関連資料

Furukawa A, Nakayama S, Yoshikaie K, Tanaka Y, Tsukazaki T.  Remote Coupled Drastic β-Barrel to β-Sheet Transition of the Protein Translocation Motor. (2018). Structure 26, 485-489.

Furukawa A, Yoshikaie K, Mori T, Mori H, Morimoto YV, Sugano Y, Iwaki S, Minamino T, Sugita Y, Tanaka Y, Tsukazaki T.  Tunnel Formation Inferred from the I-Form Structures of the Proton-Driven Protein Secretion Motor SecDF. (2017). Cell Reports 19, 895-901.

Kumazaki K, Chiba S, Takemoto M, Furukawa A, Nishiyama K, Sugano Y, Mori T, Dohmae N, Hirata K, Nakada-Nakura Y, Maturana AD, Tanaka Y, Mori H, Sugita Y, Arisaka F, Ito K, Ishitani R, Tsukazaki T, Nureki O.  Structural basis of Sec-independent membrane protein insertion by YidC. (2014). Nature 509, 516-520.

Tanaka Y,  Izumioka A, Abdul HA, Fujii A, Haruyama T, Furukawa A, Tsukazaki T.   2.8-A crystal structure of Escherichia coli YidC revealing all core regions, including flexible C2 loop. Biochem. Biophys. Res. Commun. 505, 141-145 (2018).

井上科学振興財団
http://www.inoue-zaidan.or.jp/

【構造生命科学研究室】
研究室紹介ホームページ:http://bsw3.naist.jp/courses/courses309.html
研究室ホームページ:http://bsw3.naist.jp/tsukazaki/

(2019年01月30日掲載)

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