研究成果

研究成果

北野健助教が、財団法人住友財団から2008年度基礎科学研究助成の対象者に選ばれました

情報生命科学専攻構造生物学講座の北野健助教が、財団法人住友財団から2008年度基礎科学研究助成の対象者に選ばれました。この助成は、重要な基礎科学研究、とりわけ新しい発想が期待される若手研究者による萌芽的な研究に対して支援が行われるものです。今年度は、1,289件という多数の応募がありました。

助成受託のコメント

北野健助教この度は住友財団 基礎科学研究助成を賜りまして、誠に光栄に思います。ブルーム症候群BLMヘリカーゼの研究は本学においてゼロからスタートさせた研究で、三年間の試行錯誤の末やっとかたちになってきたものであります。これまでの苦労を評価頂けたことを心より嬉しく思います。研究を始めるに当たってご支援賜りました株式会社ジーンケア研究所の古市泰宏先生、嶋本 顕先生、ならびに本学構造生物学講座の箱嶋敏雄教授に深く感謝いたします。

助成受託研究テーマ

「ブルーム症候群BLMヘリカーゼによる染色体解きほぐし機構の構造研究」

ブルーム症候群は常染色体劣性のまれな遺伝病で、10代にしてガン(急性白血病を含む種々の悪性腫瘍)を頻発する重篤な難病のひとつです。治療法はまだありません。本疾病はDNA二重らせんをほどくヘリカーゼの一種、BLMタンパク質(Bloom syndrome protein)が変異によって機能欠損してしまうことで引き起こされます。最近になって、BLMヘリカーゼは私達の染色体に生じるゲノムDNAの危険な絡まりを解きほぐすことによって、細胞の抗ガン化および抗老化に重要な役割を果たしていることが明らかとなってきました。本研究では日本が誇る大型放射光施設SPring-8(兵庫県播磨市)の最先端設備を駆使して、BLMのかたち(分子立体構造)を原子分解能で明らかにする研究に挑戦していきます。


上:ブルーム症候群では、BLMというたった一つのタンパク質が欠損することによって早期ガン化が引き起こされます。
下:BLMのドメイン構造と、その働きを相互作用によって助ける様々なタンパク質群。

関連する論文
  1. Kitano, K., Yoshihara, N., Hakoshima, T. (2007). "Crystal structure of the HRDC domain of human Werner syndrome protein, WRN." J. Biol. Chem., 282, 2717-2728.
  2. Kitano, K., Yusa, F., Hakoshima, T. (2006). "Structure of dimerized radixin FERM domain suggests a novel masking motif in C-terminal residues 295-304." Acta Crystallogr. F., 62(4), 340-345.
  3. 北野 健, 箱嶋敏雄 (2006). "ヒトFEN1-PCNA複合体の結晶構造が示すスイング活性化機構." 日本結晶学会誌, 48, 367-372.
  4. Sakurai, S.*, Kitano, K.*, Yamaguchi, H., Hamada, K., Okada, K., Fukuda, K., Uchida, M., Ohtsuka, E., Morioka, H., Hakoshima, T. (2005). "Structural basis for recruitment of human flap endonuclease 1 to PCNA." EMBO J., 24, 683-693. (*Both authors equally contributed)
  5. Kitano, K., Kita, A., Hakoshima, T., Niimura, Y., Miki, K. (2005). "Crystal structure of decameric peroxiredoxin (AhpC) from Amphibacillus xylanus." Proteins, 59(3), 644-647.
  6. 北野 健, 箱嶋敏雄 (2002). "タンパク質の構造解析法" ポストシークエンス・タンパク質実験法(東京化学同人), 第3巻, pp. 1-23.
  7. Kitano, K., Maeda, N., Fukui, T., Atomi, H., Imanaka, T., Miki, K. (2001). "Crystal structure of a novel-type archaeal Rubisco with pentagonal symmetry." Structure, 9, 473-481.

(2008年10月29日掲載)

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