花発生分子遺伝学研究室の古田 優生さん( 博士後期課程3年)と前田 龍舞さん( 博士後期課程1年)が学術変革領域「挑戦的両性花原理」若手の会において「口頭発表賞」を受賞
花発生分子遺伝学研究室の古田 優生さん( 博士後期課程3年)と前田 龍舞さん( 博士後期課程1年)が学術変革領域「挑戦的両性花原理」若手の会において「口頭発表賞」を受賞しました(2025年10月27日)。
受賞のコメント
古田 優生さん:
この度の受賞、大変光栄に存じます。本若手の会は、領域内の若手研究者・大学院生が一堂に会し、最先端の知見に触れながら植物生殖に関する未解明の課題について深く議論できる貴重な機会です。こうした刺激的な環境で口頭発表賞をいただけたことは、非常に名誉なことであると感じています。日頃より熱心にご指導いただいている伊藤先生、山口先生をはじめ、研究室の皆様に心より感謝申し上げます。今後もこの賞を励みに、植物科学の発展に貢献できるよう精進してまいります。
前田 龍舞さん:
このたびは栄誉ある賞を賜り、誠に光栄に存じます。これまでご指導賜りました伊藤寿朗先生、和田七夕子先生をはじめ、花発生分子遺伝学研究室の皆様に心より御礼申し上げます。皆様からのご支援とご助言があってこそ、本受賞につながったものと深く感謝しております。本受賞に恥じぬよう、今後も研究のさらなる発展と新たな知見の創出に努めます。引き続きご指導ご鞭撻のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。

(左が古田 優生さん、右が前田 龍舞さん)
受賞研究科題名
古田 優生さん:
花弁脱離を制御するエチレン下流経路の探索
植物の器官脱離である花は次世代を残すために重要な器官です。受精を終え不要となった花弁を植物は積極的に脱離させていると考えられています。しかし、その詳細なメカニズムは完全には明らかになっていません。 本研究では、植物ホルモンであるエチレンの下流でどのように花弁の脱離が制御されているのかを解析しました。これまでの研究で脱離への関与が示唆されていたエチレンに着目し、その下流で機能する遺伝子や経路の探索を行いました。変異体を用いた表現型解析やトランスクリプトーム解析などの手法を用い、花弁脱離を制御する新たな分子メカニズムの一端を明らかにしました。
前田 龍舞さん:
シロイヌナズナの発芽期芽生え期における雑種強勢に関連する候補遺伝子の機能検証
異なる親系統を交配して得られるF₁雑種が示す雑種強勢は、発芽期から親を上回る成長速度を示し、重要な育種手法として注目されています。雑種強勢を引き起こすトリガーとなる分子機構、特に発芽期や芽生え期における制御機構は未解明である。本研究では、シロイヌナズナ154系統における芽生えサイズとSNPとの関連をゲノムワイド関連解析により、雑種強勢に関与する候補因子を同定しました。さらに、候補因子の機能解析やトランスクリプトーム解析を用いて雑種強勢に関与することが示唆される遺伝子を明らかにしました。
【花発生分子遺伝学研究室】
研究室紹介ページ:https://bsw3.naist.jp/courses/courses112.html
研究室ホームページ:https://bsw3.naist.jp/ito/
(2025年12月12日掲載)
奈良先端科学技術大学院大学