研究成果

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新名惇彦教授が平成18年度日本生物工学会生物工学賞を受賞

9月12日付けで、植物代謝調節学講座の新名惇彦教授が、平成18年度日本生物工学会 生物工学賞を受賞しました。本賞は、生物工学の分野における顕著な業績をあげた本会会員に授与されるものです。

受賞コメント

日本生物工学会は、1923年に創設された大阪醸造学会を前身とし、その後、日本醗酵工学会、日本生物工学会と名称を改めつつ、対象分野を拡大発展させてきたが、受賞者が取り組んできた植物バイオテクノロジーが認知されたことは大変喜ばしい。20世紀は産油国が巨額の富を得た。21世紀は植物バイオマスに富む国が世界を制する。わが国が豊かであり続けるには、植物バイオマスの増産とそれを活用する生物工学の振興が極めて重要である。

受賞内容

「植物の生物工学的利用のための基盤技術開発とその応用」

遺伝子組換え技術を活用した植物および植物培養細胞による有用物質生産、植物による工業原料生産、環境浄化など、植物は農業以外の広い分野に応用されようとしている。それには植物の遺伝子機能、遺伝子発現制御機構などの基礎研究の裏打ちがなければならない。そのような観点から以下の研究成果を上げた。いずれの課題も各分野で第一線の成果である。1.タバコ細胞を宿主とする物質生産系の開発、2.細胞周期制御遺伝子群の機能解析、3.植物の有用酵素の遺伝子発現解析、4.遺伝子組換え植物における外来遺伝子の安定発現、5.耐塩性植物の分子育種に必要な遺伝子の機能解析、6.NEDOプロジェクト「植物による工業原料生産基盤技術開発」。生物工学的視点では、植物は理想のバイオリアクター:葉は太陽電池を備えた生分解性生産工場である、との旗印のもと、生物工学分野に植物応用科学を取り入れ、学会の発展に寄与した。


図 時代の要請に応える植物の生物工学的利用

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(2006年08月29日掲載)

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