神経システム生物学研究室

稲垣紹介

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コラム

ワインは楽しい

ドイツ・ミュンヘンに留学したことをきっかけに熱中しました。どんなワインも楽しいですが、ボルドーの赤ワインが特に好きです。

ワインの熟成は興味深いものです。飲むと別世界に連れて行ってくれるようなワインは初めのうちは無愛想で渋くて飲めません。十年以上かけて角が取れて複雑においしくなり、何十年も長く最高の状態が続きます。一方、はじめから飲みやすいワインは、気軽に楽しめますが、心を動かされることはあまりなく飲みごろも短期間です。これは、研究者として人の育成やテーマを考える上で考えさせられます。ただ、最近はハイテク技術で早くから飲める大変おいしいワインもあります。

ワインは土壌と天候と人によって作られるといいます。フランス・ボルドーでは古くから変わらないシャトーの格付けがあり、名門シャトーが大規模な施設で作るワインは素晴らしいものがあります。一方、ボルドーには格付けのない地域や格付けを定期的に見直す地域もあり、小規模なシャトーで手間をかけて名門シャトーには作れない素晴らしいワインを作っているところがあります。どちらにしても与えられた環境(土壌)と運(天候)を「人」がいかにして最大限に生かすかでどれだけおいしいワインが生まれるか決まりますので、研究に似ているなあと思ってしまいます。

ビートルズ考:How we can be creative?

中学・高校時代は1966-1974年あたりのイギリス発ロックに熱中し、今でもいくつかのグループは懐かしく聞いています。

英国ロックといえばビートルズがあまりにも有名です。彼らの魅力的でクリエイティヴなところは多くの人が認めるところですが、どこにあるのでしょう?私は個性の違う4人のメンバーが調和しているところにあると思っています。ジョン、ポール、ジョージ、リンゴのメンバー全員が作曲し、楽器を素晴らしく演奏します。そして、全員それぞれが主役としてリードボーカルを取ってヒットチャートナンバー1になる曲を送り出したことはびっくりです。また、彼らは仲がよく、時にはぶつかり合いながら協力・切磋琢磨し成長しました。しかしこのようなクリエイティヴな関係は維持するのは決して容易ではありません。4人をサポートしたマネージャーとアレンジャーの存在なしには彼らの大きな成功はなかったと思われますし、マネージャーの死とグループの大きな成功もあり、4人は離れてしまいました。

このように個性の違う人間が対等にクリエイティヴに協力し合う関係を、研究グループ内あるいはグループ間で築きあげることができたらどんなにわくわくするでしょう。目標にしています。

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