NAIST 奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス領域

研究成果の紹介

バイオサイエンス研究科分子発生生物学研究室の齋藤大介助教が第45回日本発生生物学会/第64回日本細胞生物学会合同大会においてYoung Presenter Award for Excellent Poster Presentationを受賞

 バイオサイエンス研究科分子発生生物学研究室の齋藤大介助教が、5月28-30日に神戸で開催された第45回日本発生生物学会/第64回日本細胞生物学会合同大会においてYoung Presenter Award for Excellent Poster Presentationを受賞しました。本賞は、第45回日本発生生物学会/第64回日本細胞生物学会合同大会において最も優秀なポスター発表を行った発表者に贈られる賞である。まずはじめに、学会登録時に賞の対象となるポスター演題が選抜され(今回は190演題)、その後会場における発表内容で最優秀賞が全てのPIの投票によって決定される(今回は2演題)。

受賞コメント

 大変光栄です。このような賞をいただけたのも、高橋教授をはじめラボの皆さんや本学の教員・事務の方々から提供いただいたすぐれた研究環境や支援体制のおかげだと思っています。今回は、発生生物学会と細胞生物学会の合同大会でしたので、より広い分野の研究者に評価いただけたことは大きな喜びです。また、このポスター発表内容に関しては、現在論文誌上での発表へ向けた準備を進めているところでありましたので、たいへん勇気づけられたとともにさらに精進しようと思いました。


受賞時の発表内容

 精子や卵といった生殖細胞は、世代を繋ぐ重要かつ興味深い細胞です。大人の生殖細胞は生殖腺(精巣や卵巣)の中にいることは、皆さんご存知かと思います。しかしながら、はじめから生殖腺の中にいるのではありません。胚(胎児)の時期には、全然別の遠く離れた場所(胚体外組織)にいて、そこから長距離移動することによって生殖腺まで辿り着きます。動物によって生殖細胞が生まれる場所と移動経路はさまざまなので、この細胞の移動研究は、個々の動物種における移動メカニズムのみならず、進化的な側面においても非常に面白いものです。なかでも鳥類の生殖細胞は、生殖腺まで移動する過程で血管内を移動路とする独自の様式を獲得しました(図1参照。この過程はガン細胞の血管浸潤とのアナロジーとしても面白いものです)。私は、血中に存在する鳥類の生殖細胞が、決まったポイントの血管壁から体内に侵入すること、およびその決まった血管の性質をについて、分子生物学的手法とライブイメージングを駆使して明らかにしました。


(2012年06月18日掲載)

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